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【東日本大震災3年】元原子力安全委員長・班目春樹氏インタビュー 「規制委に専門家いない」
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産経新聞のインタビューに答える元原子力安全委員長の斑目春樹氏=東京・大手町(大山実撮影) 班目春樹氏(65)は産経新聞のインタビューで、事故の教訓が生かされていないと指摘し、「原子力規制委員会には原子力安全の専門家がいない」と言及、規制委の閉鎖性を問題視した。主なやりとりは次の通り。
--当時、首相に「水素爆発はない」と助言した
「格納容器内には酸素がないので水素爆発はないと説明した。その後、格納容器から漏れ出た水素が格納容器の外側で空気の中の酸素と混ざり爆発した。予告できなかった自分を呪った一方で、不幸中の幸いとも感じた」
--不幸中の幸いとは
「爆発の映像を見せられたとき、吹き飛んだのは建屋上部だけだと直感した。だから、格納容器は守られた、炉心はまだ大丈夫だと。(炉心が爆発し広域に放射性物質が拡散した旧ソ連の)チェルノブイリ(原発事故)の二の舞いとなることだけは避けたい一心だった」
--さらに悪い状況になる恐れもあったのか
「爆発によりサイト(施設)内が高度に汚染され注水作業などが困難になると、最悪のシナリオになる可能性もあった。当時、『東京も住めなくなる可能性があるか?』と聞かれていれば、ゼロではないと答えただろう」
--現在の規制の仕組みをどう見ているか
「私は今の原子力規制委員会よりも事故の経験があるが、話を聞かれたことはない。大学に属する原子力安全の研究者は電力会社と協力しなければ『現場』はない。それを『御用学者』とレッテルを貼り排除したため、規制委に原子力安全の専門家が不在だ。関係の学会を巻き込み透明性を確保しつつオールジャパンの規制体制づくりが必要だ」
--理想的な規制とは
「規制委と電力会社が互いに尊敬し合い率直に意見交換できる状態が必要だ。今は規制委と電力会社が上意下達の関係で、電力会社は事故当時以上に警戒して本音で意見を言えないのではないか。検査官の能力向上にもつながらない」
--事故の反省は生かされているか
「たとえば、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)は相変わらず原発の近くにある。今事故が起こったとして、対応できるとは思えない」