桐谷流・株主優待 マル得生活のヒミツ(第1部)「お金を使わず超ラクラク人生」
更新制約があるほうが、むしろ人生をエンジョイできる。なんだか逆説的にも思えるが、桐谷さんの人生が優待生活で一変したことは間違いない。
400以上の優待銘柄を持つ桐谷さんだが、どのように選んでいるのだろうか。「最初のころは『優待日本一』を目指してやみくもに買っていたので、基準は設けていませんでした。いらないものもけっこう届くので、もっと選別をすべきでしたね。これから優待株を買う人は、自分にとって使い勝手のいい商品がもらえる銘柄を選ぶことです」
迷った人は、何にでも使えて、金券ショップに持って行けば換金もできる商品券やクオカード(汎用型プリペイドカード)などがもらえる銘柄を選ぶのも方法だろう。「私は、優待でもらったクオカードと図書カードをそれぞれ290枚ほど持っています。リーマン・ショック後にお金がなくなって本当に困ったときは、金券ショップにクオカードをまとめて売ってしのぎました。いざというときに役立つものですね」
また、言うまでもないことだが、優待の魅力ばかりに惑わされず、会社の実力や財務力などをしっかりと探ることも大切だという。これは、桐谷さん自身の苦い経験に基づくアドバイスである。「やみくもに優待銘柄を買っていたころに、山一證券やライブドア、日本航空など、後に破綻や上場廃止に追い込まれた銘柄をいくつも買って大損をしてしまいました。2005年の小泉相場のころは、株主を集めたくて無理に豪華な株主優待を提供する企業も多かったんですが、業績や財務状況が悪く、ライブドア・ショックやリーマン・ショックで破綻に追い込まれた企業もかなりありました。今、株主優待を出している企業の多くは、それほど財務は悪くないと思いますが、念のために注意したいですね」
