SankeiBiz for mobile

日本郵政上場へ議論加速 宙に浮く「ゆうちょ・かんぽ」の扱いが焦点

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

日本郵政上場へ議論加速 宙に浮く「ゆうちょ・かんぽ」の扱いが焦点

更新

 2005年の郵政民営化関連法以来、曲折をたどってきた日本郵政の上場に向けた議論が加速してきた。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は24日、国有財産分科会を開き、日本郵政の上場アドバイザリーを務める野村証券や日本証券業協会から意見を聴いた。財務省は日本郵政などとの協議を急ぐが最大の焦点となっている傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の扱いは宙に浮いたまま。上場に向けた道筋は明確には見えていない。

 分科会では、ゆうちょ銀とかんぽ生命について「上場時期を含め全体の事業計画を示すべきだ」との意見が出た。同省は6月に主幹事証券会社の選定基準を定めた後、最終的な株式売り出し時期などを詰める方針だ。

 日本郵政が上場を急ぐのは、グループの収益の9割を稼ぐ金融2社の事業拡大が進んでいないためだ。かんぽ生命は4月に学資保険の新商品を販売したが、ゆうちょ銀の住宅ローンは認可のめどが立っていない。

 「リスク管理体制が不十分」(金融庁)とされることに加え、金融2社は政府が100%株式を持つ日本郵政の傘下にある限り、政府の信用を背景にした「民業圧迫」だとする金融業界の批判も消えないからだ。

 金融2社の上場は自民、民主、公明の3党合意で成立した12年の改正郵政民営化法で「努力目標」にとどまった。2社を切り離せば全国の郵便局が同一料金で郵便物を届ける「ユニバーサルサービス」の維持が困難になると反対した全国郵便局長会(全特)などの意向が反映された。経営の手足を縛られたままでは成長戦略は描きにくい。

 「上場するなら(日本郵政と)同じ年度だろう」。日本郵政の西室泰三社長は23日の会見で、金融2社の15年度中の上場に意欲を示した。西室氏が金融2社の具体的な上場時期に言及したのは初めてだ。

 日本郵政は政治に翻弄されてきた経緯もあり、長期安定政権も見込まれる安倍晋三政権下での上場機会を逃せば、民営化路線が後退しかねない恐れもある。日本郵政株の最大3分の2を売却し、4兆円の収入を復興財源に充てることをもくろむ政府と足並みをそろえ、2社の早期上場に道筋をつけて民業圧迫との批判をかわしたいという日本郵政の思惑が透けてみえる。

 だが、金融2社の上場時期や将来の経営プランが示されないまま日本郵政が上場に踏み切っても、投資家の資金が想定通り集まるか見通せない。金融2社が上場すれば日本郵政に残るのは業績が低迷している日本郵便だけとなり、郵政株の評価が下がる懸念も指摘されている。

ランキング