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マレーシア、LCC新ターミナルなんとか離陸 設計変更や安全性疑問
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マレーシアは、世界最大規模の格安航空会社(LCC)専用ターミナルの本格運用を5月9日から始める。LCC利用者の増加を受けてクアラルンプール国際空港に建設された新LCCターミナル(KLIA2)で、年間受容能力は4500万人に上り、同空港の旧LCCターミナル(昨年は2200万人を受容)を大きく上回る。新ターミナルの運用開始により、旧ターミナルは閉鎖する予定だ。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。
総工費40億リンギット(約1254億円)以上を投じて建設された新ターミナルには、LCCアジア最大手のエアアジアやマリンド航空といったマレーシア勢をはじめ、フィリピンのセブ・パシフィック航空やシンガポールのタイガー・エアウェイズなどが就航するほか、飲食店など245店舗も入居する。
新ターミナルは当初、2011年の完成予定だったが、設計変更などにより数度にわたり延期され、費用の見積もりが07年時点の17億リンギットから倍増するなど曲折を経て整備された。
こうした経緯から5月の運用開始を危ぶむ声もあったが、計画を実施したマレーシア空港公社は4月中旬、建設を請け負った合弁事業体UEMCビナプリから完工証明書を受領。完工証明書は同国の消防救助庁の安全基準を順守した建造物であることなどを示すもので、予定通りの運用開始にめどがついた。
また、エアアジアが安全性への疑問を理由に移転拒否の構えをみせて空港公社と対立するなど、新ターミナルの開業は最後まで難航した。この問題については政府が仲介に乗り出し、国連機関の国際民間航空機関(ICAO)に安全性調査を依頼したことでエアアジアもようやく移転を受け入れた。
国営ベルナマ通信によると、ヒシャムディン運輸相代理は「100%の準備が整っている」と述べ、新ターミナルの安全性に自信をみせた。3月に発生したマレーシア航空機事故で同国の航空市場、航空行政への信頼が大きく揺らぐなか、世界最大規模の新LCCターミナルの開業や今後の運用状況に大きな注目が集まりそうだ。(シンガポール支局)