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TPP交渉、日米「推進力」に疑問符 ベトナムでの首席交渉官会合
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TPP首席交渉官会合が開かれたベトナム・ホーチミンのホテル=15日(共同) 【ホーチミン=三塚聖平】15日までベトナム・ホーチミンで開かれた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は当初期待された日米協議の進展による「推進力」には疑問符の付く結果に終わった。19日からの閣僚会合も限られた時間で交渉全体の複雑な“連立方程式”を解くのは極めて困難な情勢だ。ただ、交渉を主導する米国は閣僚会合の開催で全体の“進展”を演出しようと躍起になっている。
「わからないことが多い」。今回の会合で、日米協議の現状について説明を受けた新興国の交渉関係者からは、こんな不満の声が多く聞かれた。
日米とも「今後の全体交渉で両国にとって不利になる」(交渉関係者)と協議の詳細を明らかにしなかったためだ。だが、これでは4月の日米首脳会談の共同声明が「交渉への新たな推進力をもたらす」と強調したような協議進展の効果は到底望めない。
実際、TPP交渉は事務レベルの地ならしが不調のまま、19、20日にシンガポールで開かれる閣僚会合に舞台を移すことになった。
そもそも、日本は、こうした状況で閣僚会合を開くことには否定的だった。甘利明TPP担当相は閣僚会合の開催には事前に事務レベルの協議で大筋合意にメドを付ける必要があるとの考えを訴えてきた。
にもかかわらず、開催に同意したのは米国の強い意向に配慮した側面が大きい。その米国も通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が今回の閣僚会合について「交渉の進み具合を点検するための会議」と位置づけるなど、初めから大筋合意は断念している節もうかがえる。
それでも米国が開催にこだわる理由について、日本の交渉筋は「オバマ大統領のアジア歴訪でTPP交渉が前に進んだという実績をアピールするのが目的だろう」とみるが、形ばかりの会合に終われば交渉妥結の機運がしぼみかねないのも事実。大筋合意は難しいとしても、合意に向けた道筋をどこまで見いだせるかが閣僚会合の焦点になりそうだ。