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TPP「労働」決着見通し 国有企業改革が障害 首席交渉官会合
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日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は14日、ベトナム・ホーチミンで3日目の協議を終えた。21世紀型の新たな通商ルールとされる「労働」分野では、これまでの協議で決着の見通しが立ったことが明らかになった。ただ、米国と新興国が対立する国有企業改革などは依然ハードルが高く、交渉全体の大筋合意に向けた道筋は見いだせないままだ。
労働者の権利保障を扱う労働分野は従来の経済連携協定には前例がなく、同様に21世紀型の新ルールとされる「環境」とともに交渉が難航していた。
交渉関係者によると、労働分野は14日までの協議で妥結案が提示され、それをたたき台にして議論が進められた。これまで新興国側が先進国並みの基準強化などに難色を示していたが、両者の大きな対立点は解消されたもようだ。交渉関係者は同日、「多くの分野で議論の方向性としては収斂(しゅうれん)に向かっている」と明かした。
もっとも、交渉全体の足かせとなっていた日本の重要農産品5分野の関税の扱いなどをめぐる日米協議は19、20日にシンガポールで予定される閣僚会合に持ち越される見通し。さらに米国と新興国の対立分野では、国有企業改革を扱う「競争政策」が難題として残されている。
米国は国有企業に対する優遇措置の撤廃など民間企業との競争条件を公平にするよう主張。しかし、国有企業を経済成長の重要な柱とするマレーシアやベトナムなど新興国にとっては「機微に触れる」(交渉筋)問題なだけに、例外措置の規定など具体化に向けた調整は進んでいない。米国と新興国の対立が解消されつつある「知的財産」分野も、「政治的な判断になるので最後の最後にならないと決着しない」(同)という。
首席交渉官会合は最終日の15日、国有企業改革などを中心に協議する方針だ。(ホーチミン 三塚聖平)