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日豪の思惑一致 TPP対米交渉牽制へ先手 EPA合意間近

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日豪の思惑一致 TPP対米交渉牽制へ先手 EPA合意間近

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 日本とオーストラリアのEPA交渉が合意に大きく近づいてきたのは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で米国を牽制(けんせい)したいとの思惑が日豪両国で一致したためだ。日本は、TPP交渉で牛肉関税の撤廃を強硬に主張する米国に対し、関税率の引き下げにとどめて「前例」作りを狙う。豪州は日本との貿易自由化で先行することで牛肉輸出で競い合う米国より優位に立ち、日本市場でのシェアの確保・拡大をもくろむ。

 26日のロブ氏との会談後、甘利明TPP担当相は「先導的なレールが引ければTPP(交渉)も加速していく」と述べ、日豪EPA交渉の早期妥結がもたらす効果を強調した。

 日本政府はTPP交渉で、主導的な立場にある米国との協議を重視。日本が「聖域」とする牛肉やコメなど重要5分野の関税死守を目指し「まず米国と合意し、ほかの参加国の理解を得る」(交渉筋)戦略だった。

 だが、5分野をめぐる日米の対立が響き、TPP交渉は2月の閣僚会合でも大筋合意を断念。米国が強硬姿勢をほぼ変えない中、日本は豪州など他の参加国と先に合意し、米国の譲歩を引き出す方針に転換した。

 このため日豪EPA交渉でも、米国が5分野のうち最も重視する牛肉で関税を引き下げる譲歩案を豪州に提示。豪州への関税引き下げが実現すれば不利になる米国の焦りを誘い、TPP交渉も豪州と同等の関税率で合意に持ち込みたい考えだ。

 一方、豪州側はEPAの早期妥結で、牛肉市場のライバルである米国との価格競争で優位に立ちたい事情がある。日本の牛肉消費量の6割前後を占める輸入のうち、豪州産は5割以上を占めてきた。だが、日本が昨年2月にBSE(牛海綿状脳症)のため規制してきた米国産の輸入対象を拡大して以降、「豪州産は米国産に大きくシェアを奪われている」(交渉関係者)。

 日豪両国は4月にEPA交渉で大筋合意して夏頃に正式に締結し、2015年の発効を目指す。EPAで貿易自由化への道筋を付けられるかどうかがTPP交渉の停滞を打破する鍵となる。

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