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法人実効税率、数年で20%台 「骨太方針」素案に明記
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経済財政諮問会議であいさつする安倍晋三首相(中央)=13日夕、首相官邸 政府は13日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」の素案を提示した。法人税の実効税率の引き下げについて、現在の35%程度を来年度からの「数年間で20%台まで引き下げることを目指す」と明記。財源に関しては、財政健全化との兼ね合いから「課税ベースの拡大などによる恒久財源の確保」を挙げ、具体策は年末に検討するとした。素案では人口維持への対応に加え、高齢者支援に偏りがちな社会保障制度の見直しも打ち出した。政府の規制改革会議も同日、235項目の規制緩和策を盛り込んだ答申を安倍晋三首相に提出した。
法人実効税率の引き下げは、安倍首相が諮問会議に先立ち、官邸で麻生太郎財務相らと協議後に記者団に表明した。減税の狙いを「雇用を確保し国民生活の向上につなげたい」とし、直接恩恵の及ぶ企業だけでなく賃金などを通じて家計にも波及するとの認識を示した。
骨太方針の素案では、法人税減税について、2020年度に基礎的財政収支を黒字化するとした財政健全化目標との整合性の確保を前提に進めることを明記。
人口減少問題については、克服すべき課題と位置付け、50年後に人口1億人程度の維持を目指す目標を掲げた。少子化対策への予算配分拡充や第3子以降への重点的支援を検討し新たな少子化対策大綱を14年度中に策定する。女性の活躍推進に向けた取り組みでは、配偶者控除の見直しは盛り込まず、女性の働き方に中立的な税・社会保障制度の検討を進めるにとどめた。
東日本大震災の復興を加速、東京電力福島第1原発の廃炉や汚染水対策に国が前面に立って取り組む方針も盛り込んだ。東京五輪開催を契機に外国人観光客の誘致を強化し、20年に2000万人を目指す目標も示された。
一方、成長戦略に反映させる規制緩和策では、改革への反対が強い農業や医療などの「岩盤規制」でも新たな制度を導入。
医療分野では「患者申出療養(仮称)」を新設し保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」の対象を大幅に拡大することが柱。
雇用では、労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に向けた規制緩和を進めることを確認。農業では、各地の農協に対する指導権を持つ全国農業協同組合中央会(JA全中)のあり方を「抜本的に見直す」と明記した。
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▽デフレからの脱却を確実なものとするため、個人や企業が行うチャレンジを促し、成長戦略の更なる推進を行う
▽希望通りに働き、結婚、出産、子育てを実現する環境を整え、50年後にも1億人程度の安定的な人口構造を保持する
▽法人実効税率を数年で20%台まで引き下げることを目指す。引き下げは来年度から開始する
▽女性の活躍を支える社会基盤となる取り組みを進めるとともに、教育の「質」をより重視した取り組みを強化する
▽経済再生と財政健全化の好循環構築が不可欠。歳出の重点化・効率化を図り、歳入面でも成長志向型の税体系を目指していく
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▽「患者申出療養(仮称)」を新設し、保険診療と自由診療を併用する混合診療を拡大
▽多様な働き方を可能とするジョブ型正社員の雇用ルール整備や労働時間規制を見直し
▽全国農業協同組合中央会(JA全中)を頂点とする中央会制度の抜本的な見直し
▽農業委員は市町村長の選任制に移行、農業生産法人への企業の出資規制は50%未満まで緩和