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安定感欠く中韓の対日共闘 配慮一転、集団的自衛権で憂慮
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中韓投資フォーラムに出席した中国の習近平国家主席(左)と韓国の朴槿恵大統領=4日、ソウル(代表撮影・共同) 【ソウル=矢板明夫】中国の習近平国家主席と韓国の朴(パク)槿(ク)恵(ネ)大統領は4日昼、ソウルで会食した際に、慰安婦などの歴史問題についての日本政府の対応を批判し、集団的自衛権の解釈変更などについて憂慮を表明した。
2人は3日に行われた首脳会談後の記者会見では日本への直接批判を避けるなど日本に対し一定の配慮を見せたが、わずか1日で変化した。双方の思惑や内部事情があり、中韓共闘は安定感を欠いている。
韓国青瓦台(大統領府)の朱(チュ)鉄(チョル)基(ギ)外交安保首席秘書官が記者会見で明らかにしたところによると、習主席と朴大統領は昼食会で、日本政府が集団的自衛権の憲法解釈を変更したことについて、「平和憲法が守られなくなるのでは」と共に懸念を表明した。慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話の検証問題についても遺憾を示した。
日本政府の対北朝鮮制裁の一部解除については、人道主義の観点から拉致問題の解決には理解を示したが、北朝鮮の核問題をめぐる国際的な協力体制に悪影響を及ぼす恐れがあるとの認識で一致したという。
しかし、4日付の韓国紙、朝鮮日報によれば、両首脳が3日に行った会談でも日本に批判的な発言が多く出たが、中国の希望で非公開になったという。韓国側はこうした発言を発表しなかったにもかかわらず、中国の国営中央テレビは3日夜、習主席が朴大統領に抗日戦争記念式典の共同開催を呼びかけたと報じ、足並みの乱れが露呈した。
また習主席は4日にソウル大学で講演した際、「中韓はともに日本に侵略された苦難の歴史があった」と述べたが、これまでドイツなどで行った日本批判と比べて表現は抑制気味だ。
中国共産党筋によると、5月までの対日強硬姿勢を貫いてきた中国だが、最近は日本との関係改善を模索する動きが見える。
11月に北京で開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)で日中首脳会談の実現を求める声が改革派を中心に高くなり、このタイミングで日本を刺激したくない思惑がある。ただ一方では融和姿勢に反発する軍や保守派もあり、対日政策の軸足は定まっていない。
また韓国にも、国内に厳しい対日世論や朴大統領自身の慰安婦問題に対する強い思い入れがある一方、米国からは「これ以上日韓関係を悪化させるな」との圧力を受け、配慮せざるを得ない事情がある。
習主席は4日夕、帰国した。