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「M字カーブ」問題の解決重要 労働力不足顕在化 女性・シニア活用を 経済財政白書

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

「M字カーブ」問題の解決重要 労働力不足顕在化 女性・シニア活用を 経済財政白書

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 25日公表された平成26年度の経済財政白書は、労働力不足への対応を今後の日本経済の課題の一つと位置付けた。日本企業が製品やサービスで付加価値を生み出し、国際的な競争に打ち勝つためには、一定の労働力確保が不可欠だからだ。景気回復に伴いデフレ脱却が進む中で、すでに建設業など一部業種では人手不足が顕在化しており、労働力確保の議論は避けて通れなくなっている。

 白書によると、労働力人口は平成10年の6793万人をピークに減少に転じ、25年は6577万人とすでに200万人以上減っている。女性や高齢者の労働参加が進まなければ、42年には5683万人とさらに約900万人減少するとみられる。こうした労働力人口の大幅な低下は、「わが国全体の所得を押し下げるとともに、潜在成長率の低下をもたらす可能性もある」と、白書は警鐘を鳴らす。

 そうした状況を改善するには、潜在的な労働力となる層の就業促進策が不可欠だ。女性の就業率をグラフで示す際、出産・育児に伴って30~39歳の労働参加率が落ち込む「M字カーブ」問題の解決は特に重要だ。

 高齢者の活用も欠かせない。日常的に介護なしで生活できる「健康寿命」は22年時点で男性が70・42歳、女性は73・62歳。企業の雇用義務年齢である65歳を超えてなお、働きたい意欲と能力のある高齢者は少なくないとみられる。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは今回の白書の方向性を評価しつつも、「非正規社員が増えてきた原因や正社員との格差是正といった構造問題への分析や言及は不十分」と注文をつける。

 白書は、育児対策の充実だけでも女性の労働力人口を約100万人増やせると分析。高齢者についても、高度な技能や専門知識を持つ高齢者が企業で長く働くことが労働生産性にとっても有利に働くとしている。個々の労働者が希望する柔軟な働き方を可能とする制度づくりができるか。労働分野や社会保障制度での大胆な改革が求められる。(永田岳彦)

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