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インドネシア直接投資加速 4~6月期 鉱石禁輸が奏功
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インドネシアへの外国からの直接投資(FDI)が増えている。同国投資調整庁によると、今年4~6月期のFDI実施額は前年同期比16.9%増の78兆ルピア(約6864億円)だった。1~6月では116兆2000億ルピアとなり、過去最高を更新した。同庁幹部は未加工鉱石の輸出を禁じた鉱業法が投資増を後押ししたと分析している。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
ユドヨノ政権は未加工鉱石の輸出を禁じて加工場建設を促進し、技術移転と雇用増なども目指す鉱業法を1月に実施。ニッケルなど未加工鉱石の輸出を禁じている。この結果、約50件の加工場建設計画が申請され、今後数年間で314億ドル(約3兆2128億円)のFDIが行われることとなった。
同幹部は、こうした鉱業分野の投資が実現し始めていることが、4~6月期のFDI実施額を押し上げたと分析した。
4~6月期のFDI実施額の内訳は、運輸・倉庫と通信がそれぞれ14億ドル、食品が13億ドルで、鉱業は11億ドルだった。同幹部は、法律の実施で様子見をしていた企業が実行に向けて動き出すとし、鉱業分野の実施額が7~9月期以降も増加していくとの見解を示した。
ただし、インドネシアの鉱業法については、世界銀行が経済への貢献よりも害の方が大きいと提言しているほか、日本政府も世界貿易機関(WTO)への提訴の意思を表明している。また、7月には米鉱業大手ニューモント・マイニングも鉱物輸出をめぐってインドネシア政府と対立し、国際仲裁機関に対して仲裁を申し立てた。
こうした動きについてユドヨノ政権は、断固として同法を維持する意思を示している。また、10月に就任予定のジョコ次期大統領も同法を堅持する姿勢を大統領選挙時から一貫して示してきた。問題がこじれれば、企業が再び様子見に入る可能性もある。今後、政府は同法への理解を求める努力がいっそう必要になっていきそうだ。(シンガポール支局)