ニュースカテゴリ:政策・市況
国内
メガバンク、農業支援ファンド本格化 6次産業化など「成長の種」に
更新
三井住友銀行の独自ファンドの支援を受けたベビーリーフの生産・販売を手がける果実堂の圃場=熊本県益城町 メガバンクが農業支援ファンドへの出資や設立を本格化している。安倍晋三政権が農業の競争力強化を成長戦略の柱の一つに位置づけていることを受け、メガ各行も農業分野を「成長の種」と位置付けている。
みずほ銀行は東北から四国まで全国で計10件の農林漁業支援ファンドに出資している。出資額は126億円に達し、すでに出資先の3ファンドが4社に対し、計5億円弱の出資を決めている。
農業支援ファンドは生産した農作物などに、加工や流通・販売で付加価値を付ける「6次産業化」を後押しする。主な対象は大規模な農林漁業者。みずほは官民ファンドの農林漁業成長産業化支援機構や地方銀行と連携し、食品加工や外食、IT企業などとの連携を支援。各ファンドの資金の1割程度を負担しているとみられる。
一方、三井住友銀行は昨年、子会社のSMBCベンチャーキャピタルと農業分野に投資する30億円の独自ファンドを作った。
このうち20億円は6次産業化支援の対象から外れた種苗や農薬、植物工場など周辺分野の企業を支援。残る10億円で、官民ファンドの機構と6次産業化支援の別ファンドを設立した。
すでに、有機栽培のベビーリーフを生産する熊本県の農業法人など2件計4000万円の出資実績がある。
また、三菱東京UFJ銀行も昨夏、機構や東北の地銀と6次産業化支援ファンドを作ったが、投資実績はまだなく、「色々な案件を検討している」という。
農業生産者の多くは経営規模が小さい上、天候不順などによる事業リスクも高いため、農業向けはこれまで銀行融資が難しかった。このため銀行業界は、官民ファンドの資金を取り込んだり、複数の地銀がメガバンクと組んだりして、融資リスク分散を模索している。
政府は、規制緩和による農業生産法人の大規模化などで農業ビジネスの拡大と農業の国際競争力強化を狙う。(藤原章裕)