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外国政府系ファンド、東京駅前ビルを約1700億円で買収 リーマン以降、過去最大の不動産取引

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外国政府系ファンド、東京駅前ビルを約1700億円で買収 リーマン以降、過去最大の不動産取引

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 東京都心でオフィスビルなど大型不動産の取引が過熱している。21日にはシンガポールの政府系投資ファンドが、JR東京駅前の高層ビルを買収したと発表。買収額は非公表だが1700億円程度とみられ、リーマン・ショック以降では国内最大級。アベノミクスや2020年の東京五輪開催、オフィス需要の高まりという追い風を受けて都心の地価は上昇しており、海外マネーの流入もあいまって不動産市況の復調が鮮明となってきた。

 この高層ビルは東京駅前の「パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内」(千代田区)。平成13年に完成した地上32階建てのビルでオフィスやホテルなどが入居。買収されるのは8~31階のオフィス部分になる。売り主の香港系投資会社が実施した入札にシンガポール政府投資公社(GIC)が参加し、調整を続けてきた。

 PCPは現在の所有者が21年に国内の投資ファンドから約1400億円で買収していた。今回の取引額はこれを超えるが、GICは「当社が長期的に日本、特に東京のオフィス市場に信頼を寄せている証しだ」とコメントしている。

 結婚式場とオフィスビルの複合施設「目黒雅叙園」(目黒区)も都心に残る数少ない大型物件として注目されてきたが、不動産開発などを手掛ける森トラストが8月下旬、約1300億円で米投資ファンドから買収した。「土地のブランドが高く、利回りも悪くない」(吉田武副社長)ことが買収の狙いだ。

 東京の一等地に建つビルの多くは不動産大手が所有しており、1000億円クラスで売りに出される都心の物件は、国内外のファンドや開発会社の“垂涎(すいぜん)の的”となっている。

 日本不動産研究所の吉野薫不動産エコノミストは「リーマン・ショック後は不動産取引に懐疑的だった海外投資家が、利回りを確保できる日本市場の手堅さを評価した」と分析。バブルの再来も懸念されるが、「賃料は来年にかけて上昇するとみられ、現時点では問題ない。だが、取引額がこれ以上高騰すれば警戒が必要だ」と話している。(田端素央)

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