SankeiBiz for mobile

【日曜経済講座】「第1の矢」は賞味期限切れ? 伸びない「ドル建て」株価 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

【日曜経済講座】「第1の矢」は賞味期限切れ? 伸びない「ドル建て」株価 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇

更新

 10月29日にニューヨークのアナリスト協会がアジア投資に関するセミナーを開いた。例年は中国とインドばかりが俎上(そじょう)に載る会合なのだが、今年は投資家たちが「日本談議」に花を咲かせた。

 その一人が、米投資会社フェデレイテッド・インベスターズのオードリー・カプラン氏である。「米国景気の回復の恩恵を受けるのが、貿易相手である日本」(カプラン氏)。カプラン氏の同僚は関西地方を最近訪問し、観光客の多さに驚いたという。さらに、カプラン氏はこう付け加える。「日本株に投資するなら、忘れないでほしいことがある。(円売りで)為替リスクをヘッジすべきだ」。日本株に強気といっても、あくまでも円建てでの話なのだ。

 カプラン氏の念押しは正しかった。2日後の31日、日銀が国債や上場型投資信託(ETF)を買い増す追加金融緩和策を発表。日米で株価が年初来高値をつける一方で、円が集中的に売り込まれた。

 米ウォール街が日銀による突然の金融緩和に驚いている。米国では2012年9月から始まった量的緩和策の第3弾「QE3」が終わったばかりで、市場の関心事は利上げ時期に向かっていた。

 米メディアは「ショック・アンド・オー」と日銀の追加策を形容する。直訳すると「衝撃と恐怖」。「敵軍の中枢機能をたたいて混乱させる」という意味の米軍用語が由来で「予想していなかった日銀の緩和策で、市場がパニックになった」状態を指す。

 10月29日にニューヨークのアナリスト協会がアジア投資に関するセミナーを開いた。例年は中国とインドばかりが俎上(そじょう)に載る会合なのだが、今年は投資家たちが「日本談議」に花を咲かせた。

 その一人が、米投資会社フェデレイテッド・インベスターズのオードリー・カプラン氏である。「米国景気の回復の恩恵を受けるのが、貿易相手である日本」(カプラン氏)。カプラン氏の同僚は関西地方を最近訪問し、観光客の多さに驚いたという。さらに、カプラン氏はこう付け加える。「日本株に投資するなら、忘れないでほしいことがある。(円売りで)為替リスクをヘッジすべきだ」。日本株に強気といっても、あくまでも円建てでの話なのだ。

 カプラン氏の念押しは正しかった。2日後の31日、日銀が国債や上場型投資信託(ETF)を買い増す追加金融緩和策を発表。日米で株価が年初来高値をつける一方で、円が集中的に売り込まれた。

 米ウォール街が日銀による突然の金融緩和に驚いている。米国では2012年9月から始まった量的緩和策の第3弾「QE3」が終わったばかりで、市場の関心事は利上げ時期に向かっていた。

 米メディアは「ショック・アンド・オー」と日銀の追加策を形容する。直訳すると「衝撃と恐怖」。「敵軍の中枢機能をたたいて混乱させる」という意味の米軍用語が由来で「予想していなかった日銀の緩和策で、市場がパニックになった」状態を指す。

 実は、ドル建てで見た場合、代表的な日本の株価指数である東証株価指数(TOPIX)は昨年末から3%下げている。円安が同時進行しているためで、過去1年間のドル建てTOPIXは、11~13ポイントの狭いレンジ内で動いただけにすぎない。

 世界経済はドル本位制。海外投資家はドル建てで運用方針を決めている。追加的な緩和策を発表してもドル建てのTOPIXが横ばいなのは、アベノミクスの「第1の矢」の国際的な賞味期限が切れ始めた証拠である。

 なぜ、海外投資家は「インフレ期待の上昇だけでは、国民経済に資する付加価値が生まれない」と見るのか? 将来の現金収支を資本コストで割り引くディスカウンテッド・キャッシュフロー(DCF)法を用いれば理由は明快だ。仮に、25億円を投資すれば、今年中に売上高10億円、費用5億円、差し引き5億円の利益(現金)を生み、今後10年間にかけて年5%成長する事業機会があるとする。さらに、本事業の資本コストが10%かかるとしよう。

 インフレ率がゼロなら、名目の割引率は資本コストの10%。DCF法による事業の純現在価値は、割り引かれた現金収支の合計現在価値44億円から初期投資費用の25億円を引いた約19億円となる。

 では、インフレ率が年5%に上昇すると、純現在価値にどう影響を与えるのか? 結果は同じ約19億円である。割り算にたとえるなら、「分子」である名目の現金収支がインフレで増える割合に応じて、「分母」である名目の割引率も上昇するからである。

 実は、ドル建てで見た場合、代表的な日本の株価指数である東証株価指数(TOPIX)は昨年末から3%下げている。円安が同時進行しているためで、過去1年間のドル建てTOPIXは、11~13ポイントの狭いレンジ内で動いただけにすぎない。

 世界経済はドル本位制。海外投資家はドル建てで運用方針を決めている。追加的な緩和策を発表してもドル建てのTOPIXが横ばいなのは、アベノミクスの「第1の矢」の国際的な賞味期限が切れ始めた証拠である。

 なぜ、海外投資家は「インフレ期待の上昇だけでは、国民経済に資する付加価値が生まれない」と見るのか? 将来の現金収支を資本コストで割り引くディスカウンテッド・キャッシュフロー(DCF)法を用いれば理由は明快だ。仮に、25億円を投資すれば、今年中に売上高10億円、費用5億円、差し引き5億円の利益(現金)を生み、今後10年間にかけて年5%成長する事業機会があるとする。さらに、本事業の資本コストが10%かかるとしよう。

 インフレ率がゼロなら、名目の割引率は資本コストの10%。DCF法による事業の純現在価値は、割り引かれた現金収支の合計現在価値44億円から初期投資費用の25億円を引いた約19億円となる。

 では、インフレ率が年5%に上昇すると、純現在価値にどう影響を与えるのか? 結果は同じ約19億円である。割り算にたとえるなら、「分子」である名目の現金収支がインフレで増える割合に応じて、「分母」である名目の割引率も上昇するからである。

 逆に、デフレでインフレ率がマイナス5%でも現在価値は約19億円。この場合は名目の現金収支が目減りする分だけ、割引率が低下する。

 必ずしも売り上げと費用が同じインフレ率になるわけでもないし、売り上げ規模によって利益率は変わる。だが、理論上、財・サービスに対する貨幣の相対的価値ともいえるインフレ率は、事業の本質的な価値に対してほぼ中立的な存在なのである。

 そうはいっても、人間は合理的な生き物ではない。純現在価値が同じでも、インフレで名目上の売上高が伸びる事業の方が、「もうかった気分」になる。逆に、物価が低下すると、事業の純現在価値がプラスであっても「デフレ・マインド」が邪魔をして、経営者は投資しなくなる。

 13年春に発表した最初の「第1の矢」はデフレの催眠術から経営者を覚醒させた行動経済学的な政策だ。ドル建てでも、TOPIXが安倍晋三政権が成立した12年末から半年間ほど急伸したのは、「非合理的な投資控えがなくなる」という期待からだ。

 「第1の矢」は経営者が前向きに投資判断する「枠組み」を復活させた段階で役割を果たした。事業機会を増やし、数量販売を伸ばし、利益率を高める-という枠組みの構成要素が次の焦点となる。

 日本の課題は経済の潜在成長率を高める供給サイド。日本株をドル建てでも上昇させるためには、「第3の矢」を放ち続けるしか、道は残されていないのである。

 逆に、デフレでインフレ率がマイナス5%でも現在価値は約19億円。この場合は名目の現金収支が目減りする分だけ、割引率が低下する。

 必ずしも売り上げと費用が同じインフレ率になるわけでもないし、売り上げ規模によって利益率は変わる。だが、理論上、財・サービスに対する貨幣の相対的価値ともいえるインフレ率は、事業の本質的な価値に対してほぼ中立的な存在なのである。

 そうはいっても、人間は合理的な生き物ではない。純現在価値が同じでも、インフレで名目上の売上高が伸びる事業の方が、「もうかった気分」になる。逆に、物価が低下すると、事業の純現在価値がプラスであっても「デフレ・マインド」が邪魔をして、経営者は投資しなくなる。

 13年春に発表した最初の「第1の矢」はデフレの催眠術から経営者を覚醒させた行動経済学的な政策だ。ドル建てでも、TOPIXが安倍晋三政権が成立した12年末から半年間ほど急伸したのは、「非合理的な投資控えがなくなる」という期待からだ。

 「第1の矢」は経営者が前向きに投資判断する「枠組み」を復活させた段階で役割を果たした。事業機会を増やし、数量販売を伸ばし、利益率を高める-という枠組みの構成要素が次の焦点となる。

 日本の課題は経済の潜在成長率を高める供給サイド。日本株をドル建てでも上昇させるためには、「第3の矢」を放ち続けるしか、道は残されていないのである。

 10月29日にニューヨークのアナリスト協会がアジア投資に関するセミナーを開いた。例年は中国とインドばかりが俎上(そじょう)に載る会合なのだが、今年は投資家たちが「日本談議」に花を咲かせた。

 その一人が、米投資会社フェデレイテッド・インベスターズのオードリー・カプラン氏である。「米国景気の回復の恩恵を受けるのが、貿易相手である日本」(カプラン氏)。カプラン氏の同僚は関西地方を最近訪問し、観光客の多さに驚いたという。さらに、カプラン氏はこう付け加える。「日本株に投資するなら、忘れないでほしいことがある。(円売りで)為替リスクをヘッジすべきだ」。日本株に強気といっても、あくまでも円建てでの話なのだ。

 カプラン氏の念押しは正しかった。2日後の31日、日銀が国債や上場型投資信託(ETF)を買い増す追加金融緩和策を発表。日米で株価が年初来高値をつける一方で、円が集中的に売り込まれた。

 米ウォール街が日銀による突然の金融緩和に驚いている。米国では2012年9月から始まった量的緩和策の第3弾「QE3」が終わったばかりで、市場の関心事は利上げ時期に向かっていた。

 米メディアは「ショック・アンド・オー」と日銀の追加策を形容する。直訳すると「衝撃と恐怖」。「敵軍の中枢機能をたたいて混乱させる」という意味の米軍用語が由来で「予想していなかった日銀の緩和策で、市場がパニックになった」状態を指す。

 10月29日にニューヨークのアナリスト協会がアジア投資に関するセミナーを開いた。例年は中国とインドばかりが俎上(そじょう)に載る会合なのだが、今年は投資家たちが「日本談議」に花を咲かせた。

 その一人が、米投資会社フェデレイテッド・インベスターズのオードリー・カプラン氏である。「米国景気の回復の恩恵を受けるのが、貿易相手である日本」(カプラン氏)。カプラン氏の同僚は関西地方を最近訪問し、観光客の多さに驚いたという。さらに、カプラン氏はこう付け加える。「日本株に投資するなら、忘れないでほしいことがある。(円売りで)為替リスクをヘッジすべきだ」。日本株に強気といっても、あくまでも円建てでの話なのだ。

 カプラン氏の念押しは正しかった。2日後の31日、日銀が国債や上場型投資信託(ETF)を買い増す追加金融緩和策を発表。日米で株価が年初来高値をつける一方で、円が集中的に売り込まれた。

 米ウォール街が日銀による突然の金融緩和に驚いている。米国では2012年9月から始まった量的緩和策の第3弾「QE3」が終わったばかりで、市場の関心事は利上げ時期に向かっていた。

 米メディアは「ショック・アンド・オー」と日銀の追加策を形容する。直訳すると「衝撃と恐怖」。「敵軍の中枢機能をたたいて混乱させる」という意味の米軍用語が由来で「予想していなかった日銀の緩和策で、市場がパニックになった」状態を指す。

 実は、ドル建てで見た場合、代表的な日本の株価指数である東証株価指数(TOPIX)は昨年末から3%下げている。円安が同時進行しているためで、過去1年間のドル建てTOPIXは、11~13ポイントの狭いレンジ内で動いただけにすぎない。

 世界経済はドル本位制。海外投資家はドル建てで運用方針を決めている。追加的な緩和策を発表してもドル建てのTOPIXが横ばいなのは、アベノミクスの「第1の矢」の国際的な賞味期限が切れ始めた証拠である。

 なぜ、海外投資家は「インフレ期待の上昇だけでは、国民経済に資する付加価値が生まれない」と見るのか? 将来の現金収支を資本コストで割り引くディスカウンテッド・キャッシュフロー(DCF)法を用いれば理由は明快だ。仮に、25億円を投資すれば、今年中に売上高10億円、費用5億円、差し引き5億円の利益(現金)を生み、今後10年間にかけて年5%成長する事業機会があるとする。さらに、本事業の資本コストが10%かかるとしよう。

 インフレ率がゼロなら、名目の割引率は資本コストの10%。DCF法による事業の純現在価値は、割り引かれた現金収支の合計現在価値44億円から初期投資費用の25億円を引いた約19億円となる。

 では、インフレ率が年5%に上昇すると、純現在価値にどう影響を与えるのか? 結果は同じ約19億円である。割り算にたとえるなら、「分子」である名目の現金収支がインフレで増える割合に応じて、「分母」である名目の割引率も上昇するからである。

 実は、ドル建てで見た場合、代表的な日本の株価指数である東証株価指数(TOPIX)は昨年末から3%下げている。円安が同時進行しているためで、過去1年間のドル建てTOPIXは、11~13ポイントの狭いレンジ内で動いただけにすぎない。

 世界経済はドル本位制。海外投資家はドル建てで運用方針を決めている。追加的な緩和策を発表してもドル建てのTOPIXが横ばいなのは、アベノミクスの「第1の矢」の国際的な賞味期限が切れ始めた証拠である。

 なぜ、海外投資家は「インフレ期待の上昇だけでは、国民経済に資する付加価値が生まれない」と見るのか? 将来の現金収支を資本コストで割り引くディスカウンテッド・キャッシュフロー(DCF)法を用いれば理由は明快だ。仮に、25億円を投資すれば、今年中に売上高10億円、費用5億円、差し引き5億円の利益(現金)を生み、今後10年間にかけて年5%成長する事業機会があるとする。さらに、本事業の資本コストが10%かかるとしよう。

 インフレ率がゼロなら、名目の割引率は資本コストの10%。DCF法による事業の純現在価値は、割り引かれた現金収支の合計現在価値44億円から初期投資費用の25億円を引いた約19億円となる。

 では、インフレ率が年5%に上昇すると、純現在価値にどう影響を与えるのか? 結果は同じ約19億円である。割り算にたとえるなら、「分子」である名目の現金収支がインフレで増える割合に応じて、「分母」である名目の割引率も上昇するからである。

 逆に、デフレでインフレ率がマイナス5%でも現在価値は約19億円。この場合は名目の現金収支が目減りする分だけ、割引率が低下する。

 必ずしも売り上げと費用が同じインフレ率になるわけでもないし、売り上げ規模によって利益率は変わる。だが、理論上、財・サービスに対する貨幣の相対的価値ともいえるインフレ率は、事業の本質的な価値に対してほぼ中立的な存在なのである。

 そうはいっても、人間は合理的な生き物ではない。純現在価値が同じでも、インフレで名目上の売上高が伸びる事業の方が、「もうかった気分」になる。逆に、物価が低下すると、事業の純現在価値がプラスであっても「デフレ・マインド」が邪魔をして、経営者は投資しなくなる。

 13年春に発表した最初の「第1の矢」はデフレの催眠術から経営者を覚醒させた行動経済学的な政策だ。ドル建てでも、TOPIXが安倍晋三政権が成立した12年末から半年間ほど急伸したのは、「非合理的な投資控えがなくなる」という期待からだ。

 「第1の矢」は経営者が前向きに投資判断する「枠組み」を復活させた段階で役割を果たした。事業機会を増やし、数量販売を伸ばし、利益率を高める-という枠組みの構成要素が次の焦点となる。

 日本の課題は経済の潜在成長率を高める供給サイド。日本株をドル建てでも上昇させるためには、「第3の矢」を放ち続けるしか、道は残されていないのである。

 逆に、デフレでインフレ率がマイナス5%でも現在価値は約19億円。この場合は名目の現金収支が目減りする分だけ、割引率が低下する。

 必ずしも売り上げと費用が同じインフレ率になるわけでもないし、売り上げ規模によって利益率は変わる。だが、理論上、財・サービスに対する貨幣の相対的価値ともいえるインフレ率は、事業の本質的な価値に対してほぼ中立的な存在なのである。

 そうはいっても、人間は合理的な生き物ではない。純現在価値が同じでも、インフレで名目上の売上高が伸びる事業の方が、「もうかった気分」になる。逆に、物価が低下すると、事業の純現在価値がプラスであっても「デフレ・マインド」が邪魔をして、経営者は投資しなくなる。

 13年春に発表した最初の「第1の矢」はデフレの催眠術から経営者を覚醒させた行動経済学的な政策だ。ドル建てでも、TOPIXが安倍晋三政権が成立した12年末から半年間ほど急伸したのは、「非合理的な投資控えがなくなる」という期待からだ。

 「第1の矢」は経営者が前向きに投資判断する「枠組み」を復活させた段階で役割を果たした。事業機会を増やし、数量販売を伸ばし、利益率を高める-という枠組みの構成要素が次の焦点となる。

 日本の課題は経済の潜在成長率を高める供給サイド。日本株をドル建てでも上昇させるためには、「第3の矢」を放ち続けるしか、道は残されていないのである。

ランキング