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【経済対策】景気回復に無関係な施策も 財政悪化と不況の悪循環懸念
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臨時閣議に臨む安倍晋三首相(中央)=27日午後、首相官邸(宮崎裕士撮影) 27日に閣議決定した経済対策は、4月の消費税率8%への引き上げや、円安に伴う物価の上昇で失速した景気の早期回復を目指すものだ。政府は家計や地方など、「経済のもろさがあらわになった部分に的を絞った」と説明する。だが、実際には景気対策に関係がない施策も少なくない。対策が景気浮揚につながらなければ、財政悪化と不況の悪循環に陥る恐れもある。(小川真由美)
日本経済は、今年4月の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減で、国内総生産(GDP)は2四半期連続でマイナス成長に落ち込んだ。円安株高を追い風に大企業は業績が改善し、資産を持つ個人は恩恵を受けた。一方で物価上昇のスピードに賃上げが追いつかず、一般家庭の家計や中小企業の負担は増している。
対策は家計に加え、地域経済を支える小規模事業者への支援をテコに、アベノミクスの恩恵を全国に波及させる考えだ。
ただ、対策は社会保障関連のシステム改修や海洋資源の調査など、従来施策の焼き直しも目立つ。公共事業も慢性的な人手不足や資材の高騰が続いており、政府の思惑通りに景気を押し上げるかは未知数だ。
経済対策と同時に閣議決定された平成27年度予算編成の基本方針は「緊急性の高いものを重視し、メリハリのついた予算とする」と明記した。日本は1千兆円超の借金を抱えており、アベノミクスが国際社会の信認を保つためには、財政の立て直しが避けられない。
だが、27年度予算案の“先陣”となる経済対策には、緊急性が高くない事業も数多く盛り込まれている。27年度予算案の総額も前年度に比べて膨らむことは確実だ。景気対策という錦の御旗を前に、歳出の効率化を後回しにした形だ。
経済対策と同時に、地方創生の総合戦略を取りまとめたのは、人口減対策や産業構造の抜本的な改革がなければ、将来、日本社会が立ちゆかなくなる、という政府の危機感の表れだ。経済成長と財政健全化を両立し、社会の安定を維持するためには、限られた財源で最大限の効果を引き出す知恵と努力が欠かせない。