ローカリゼーションマップ

妄信的なナショナリズムにも通ずる? ローカル文化の過剰な礼賛にやや辟易

安西洋之
安西洋之

 グローバリゼーションという言葉が大流行した時にも「グローバリゼーションとは何か?」が盛んに議論された。そして全員が合意する定義はないにせよ、いくつかの見方があることが可視化されてきた。

 グローバル、インターナショナル、ユニバーサルという言葉の使い分けができるのもそのお陰である。グローバルは地球レベルのサイズを指し示し、往々にして経済的に大きなインパクトを与える存在を示唆する。

 インターナショナルは国境を基準に複数文化の関係を示唆している。グローバル化なら英語表記で統一することを暗示することが多いが、インターナショナル化であれば各国言語表記を選択肢として提示する。

 ユニバーサルは西洋の考え方をその他の地域に敷衍する際のバックボーンになったこともあり、「普遍と言いながら、結局は自分たちの考えの押しつけではないか」と言われやすい。しかし、ユニバーサルはさまざまなことやものにある共通性を重視し、価値に重きをおいた議論に使いやすい。国際機関ではマルチラテラルとの表現を使う。

 同じような次元で、ローカリゼーションやローカル文化という表現について議論が更に高まるに相応しいタイミングにきているのだろう。上記の言葉との関係でいえば、グローバルとの対立軸におかれやすい。

 「文化の盗用」という影響力のある地域の企業やクリエイターが、劣勢の文化にある要素をビジネス目的で使うアプローチが各所で問題になるのも、ローカル文化への視点が多角的に十分に論議されていないからだ。

 新しいローカルのあり方と見方に関する論議を促進していきたい。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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