【負けるもんか】失点後も勝負は続く 元プロ野球選手から公認会計士へ、奥村武博さん (1/3ページ)

公認会計士となり、引退したスポーツ選手のキャリア形成も支援している=東京都千代田区(酒巻俊介撮影)
公認会計士となり、引退したスポーツ選手のキャリア形成も支援している=東京都千代田区(酒巻俊介撮影)【拡大】

  • プロ野球阪神に投手として在籍していた頃の奥村武博さん=平成13年2月、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場

 失点後も勝負は続く 「もう一度プロに」 

 いまにも雨が降り出しそうな湿った空気の日は、右肘も肩もうずき始める。手術の痕が残る右腕で、プロ野球の舞台に立ち、公認会計士としての第2のキャリアを切り開いてきた。

 阪神の投手から公認会計士へと転身した奥村武博さん(39)は、講演で必ず伝えることがある。

 「人生、越えられない壁は一つしかない。無理だ、できない、と考えて自分で作ってしまう壁。それさえ作らなければ、人生を変えていくことができる」

 平成25年11月、難関の公認会計士試験を突破した。元プロ野球選手としては初の快挙だ。けが、手術、戦力外通告。そして、現役引退から11年がたっていた。

 「難しいでしょ」「もうやめたら」。当初、周囲から寄せられたのは期待ではなく、「無理だ」の言葉だった。ただ、迷いはなかった。「もう一度、プロと呼ばれる場所に行きたい」。その一念で机に向かった。

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 少年チームのコーチをしていた父の影響で野球は身近だった。強豪校の岐阜県立土岐商業高校に進学すると、投手としての道を歩むようになる。3年夏の県大会は決勝で敗退。阪神にドラフト6位で指名された。

「来季は契約しません」