ビジネスパーソン大航海時代

日本女性のキャリアリセットと向き合う 女性起業家の志~航海(6) (2/5ページ)

小原聖誉
小原聖誉

 「もちろん、香港で仕事は探しました。しかし、自分の会社員キャリアが活かせる仕事がないのです。びっくりするほどに。この時に自分はグローバルトップの会社という枠組みの中で最適化したスキルや経験しか持っていないということが理解できました」

 「そんな気持ちで香港の駅を歩いていると、スマホケースを売っている女性がいました。それを見て思ったのは、彼女は商売するスキルを持っているが、自分にはそのスキルがないのだと認識したのです。悔しくて涙が出てきました」

 そこで専業主婦の道を選ぶかと思いきや、あるイベントが大東さんを奮起させます。

 「0歳の子供を連れて買い物をしていました。疲れてカフェに入ったのです。となりに座っていた香港の方が声をかけてきました。『あら、かわいい赤ちゃん! 私の赤ちゃんと同じくらいね』と。それを聞いてハッとしたのです。香港はヘルパーを雇うのが普通なのです。だから彼女たちは外を出歩くことができます。子供を産んだとしても家に閉じこもる必要はないのです」

 確かに日本では子供の面倒は他人に任せるのではなく、お母さん自身がみるのが当たり前、そうでないと恥ずかしいという文化が前提になっている気がします。誰も強要はしていませんが重い空気があります。

 「その時私は決めました。日本の女性がもっと自由に生きることができる世の中にしなきゃと。香港のように。私自身が経験者なのです。体を張っていこうと決めました」

 香港からネットで稼ぐ挑戦

 大東さんはその決断をすると、持ち前の根性ですぐに実行に移します。

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