海外から見る スーツ姿のビジネスマンが「時代遅れ」になる日 (3/4ページ)

 老舗の米小売チェーン大手のTarget(ターゲット)も実は少し前に、地味で小さな変化ではあるが、カジュアル化に踏み出していた。これまでロゴ入りの赤いTシャツにチノパンというスタイルだったドレスコードを緩和し、ロゴ入りの赤いTシャツさえ着ていれば、ズボンはジーンズでも構わないと決めている。

 また、ゴールドマン・サックスより前にドレスコードを緩和していたウォール街の企業もある。JPモルガン・チェースだ。16年にビジネス・カジュアルの着用を許可し、ドレスコードを緩めた。

米国企業で服装のカジュアル化が進んでいる(写真は記事と関係ありません)

米国企業で服装のカジュアル化が進んでいる(写真は記事と関係ありません)

 このカジュアル化の流れは1990年代に端を発するという声もある。当時、多くの米企業が、金曜日はカジュアルな格好をして出勤してもいい「カジュアル・フライデー」という取り組みを取り入れるようになった。それが普通になり、その後、シリコンバレーなどでIT企業が台頭すると、カジュアル路線が広がることになった。そんな流れが、ついにウォール街や老舗小売チェーンにも到達している、ということらしい。

 「メークしなくてもいい」英航空会社の取り組み

 ちなみに、カジュアル化の傾向は何も米国だけで起きているのではない。最近、英ヴァージン・アトランティック航空は女性のためにドレスコードを緩和した。今後、女性の客室乗務員に「メーキャップ」をしなくてもいいと決定、メークをするという「ドレスコード」を撤廃したのである。同社がメディアにコメントしたところによれば、「このドレスコードの変更は女性フライトアテンダントの『快適レベルを上げる』ためで、個性を表現する『さらなる選択肢』を与えたのです」という。

 またこれまで、同社の象徴的な制服だった真っ赤なスカートに加え、パンツも客室乗務員全員に制服として提供されるという。

女性客室乗務員向けに「メーク」のドレスコードを緩和した航空会社も(写真は記事と関係ありません)

女性客室乗務員向けに「メーク」のドレスコードを緩和した航空会社も(写真は記事と関係ありません)

 このニュースを見たとき、シンガポール航空で客室乗務員をしていた友人の女性の話を思い出した。彼女が勤めていた当時、同社では、女性乗務員に入社時に登録した制服サイズをずっと変更させないことで体形を維持させていた。しかも毎年測定があり、制服がきつくなるほど太れば、痩せるまで強制的に地上勤務に異動。太ると飛行機には乗せてもらえなかったという。「大きいサイズに替えるなら明確な理由を報告書に記入して提出する必要があった」と彼女は言っていた。そういう航空会社があったことを考えれば、ヴァージンの動きは画期的なものだと言えよう。

ただ英国ではその一方でこんな話も