キャリア

2つの移転、テロの魔手、五輪招致、政治とカネ…30年で知事6人、平成の都政史 (1/3ページ)

 平成時代、都政は6人の知事の下で30年余りの歴史を刻んできた。都庁舎の移転、東京五輪・パラリンピック招致の失敗と成功、築地から豊洲へ舞台を移した中央卸売市場。オウム真理教事件では、都庁がテロの標的にもなった。平成の都政を年表とともに振り返る。

 丸の内か新宿か

 平成3年、都庁舎はJR有楽町駅近くにあった丸の内庁舎から西新宿に移った。今は新宿を象徴する建築物として多くの観光客が訪れるほど定着したが、移転実現には苦労もあった。

 移転を決断・実現した鈴木俊一知事は7年の産経新聞の取材に、都議だけでなく国会議員も巻き込んで丸の内派と新宿派に分かれ、「(調整が)大変だった。部下の副知事にまで『もう一度、考え直されては』なんて言われました」と振り返っている。

 もう一つの大事業は、築地から豊洲への中央卸売市場移転だ。老朽化のため昭和時代から新市場の必要性が議論されたが、調整が難航を続けた。石原慎太郎知事時代の13年に豊洲移転が決定。舛添要一知事時代に28年の移転・開場方針を打ち出したものの、同年就任した小池百合子知事が移転延期を表明した。豊洲市場建物地下に盛り土がされていなかった問題や、土壌から有害物質が検出されたこともあったが、紆余(うよ)曲折の末、30年10月、築地閉場と豊洲開場が実現した。

 「庁舎が揺れた」

 都庁は卑劣なテロの標的にもなった。首都を震撼(しんかん)させたオウム真理教による地下鉄サリン事件から間もない7年5月16日、都庁知事秘書室で、青島幸男知事宛に届いた小包爆弾が爆発。都職員が重傷を負った。

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