このやり取りは、医者と患者の理想のコミュニケーションを目指したい。相手が何に敏感に反応するのかを見極めたい。
何かを伝える際は、相手の立場を意識したい。立場といえば役職や年齢もそうだが、話題との距離を意識してどれくらい丁寧に説明するのかを考えよう。
例えば、プライベートで親の介護や、実家の片付け、あるいは自身の成人病の話をするとしよう。相手がその当事者かどうかによって、話をどこまで伝えるかは変わってくる。当事者ではない場合は、前提から伝えなくてはならないし、相手が関心を持ちそうなポイントを中心に話すべきだろう。相手にとって、すぐに役にたつ話ではない。将来に役に立つ、あるいは身近な話題として役に立つように、切り口や表現方法を工夫して伝えるべきだ。
ミーティングは常に真剣勝負だ。相手の言動を深く分析する時間にするべきだ。なぜ、そのような発言をしたのか、その意図は何か、それに対して自分の答の内容と伝え方は最適だったかどうか。いちいち意識してみよう。
単にお互いの存在を確かめあうだけではなく、コミュニケーションが機能しているかどうか、命中率が高いかどうかがモノを言う。振り返ってみよう。
このように、「会って得する奴」になることを目指せば、ビジネスもプライベートもうまくまわりだす。相手にとって得するアポになっているか、会話の命中率は高いか、立ち止まって振り返ってみよう。
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【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちらから