社会・その他

就労ビザや大卒学歴もお金で 外国留学生急増の裏で進む“偽装就職”の闇 (3/4ページ)

 外国人労働者の受け入れ拡大は底辺労働者の確保策

 今年4月から導入された新在留資格「特定技能」では、14業種での外国人労働者の受け入れが可能となる。しかし、それ以外にも人手不足が深刻化した職種はある。そこでアルバイトとして低賃金・重労働を担っている偽装留学生を日本に留めたい。そんな思惑が、留学生の就職条件緩和を招いていることは明らかだ。

 ホワイトカラーの専門職では人手不足は起きていない。政府は留学生の就職を増やすのは〈優秀な外国人材〉の確保が目的だと言うが、本当に優秀な人材が受け入れられれば、日本人の職が奪われてしまう。そんなことは政府も望んではいない。

 今後、単純労働の仕事であっても、「年収300万円以上」といった条件だけで就労ビザ取得が可能となるかもしれない。しかし、日本語能力に乏しい偽装留学生には、キャリアアップは望めない。低賃金・重労働の仕事ほど人手が足りないのだから、企業にとっては実に好都合なことだ。

 企業の本音は、人手不足の解消にある。そのためには、むしろ日本語など覚えてくれない方が望ましい。不満も漏らさず、長期間にわたって日本人の嫌がる仕事を担ってくれる外国人こそ、企業が求める存在なのである。

 とはいえ、外国人労働者を労働市場の底辺に固定すれば、日本人の賃金が抑えられる要因となる。また、人手不足が緩和したとき、最も先に失業するのは外国人である可能性が高い。そんな事例は、最近もあった。2008年の「リーマンショック」後がそうだ。東海地方などでは、ブラジル出身者を中心に日系人の失業が大問題となった。

 リーマンショック後に起きた「使い捨て」

 日系人の受け入れは、1990年代始めから始まった。同時期に受け入れが開始する実習生と並び、バブル経済で進んだ人手不足解消が目的だった。以降、南米諸国を中心に出稼ぎ目的の日系人が大量に流入し、リーマンショック前にはブラジル出身者だけで30万人以上に上っていた。その数は、ちょうど現在の留学生にも匹敵する。

 日系ブラジル人は日本語が不得手な人が多かった。リーマンショック前後、私も日系ブラジル人社会を取材していたが、20年近く日本に住んでいながら、日常会話すらできない人が多いことに驚かされた。両親や祖父母が日本人であっても、彼らはポルトガル語で育っている。そして日本に来て以降も、日本語を使わず生活できた。

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