問題2の解説
有益な情報をいろいろ聞き出せたのでしょうが、上司にとっては「W社とA社のシステム・担当者との間で発生したトラブル」「W社の担当者が実際に口にした不満」と「担当の山田さんの意見」は明確に区別して知りたいのです。
<事実>
- A社はR社のシステムを使っている
- R社は求人サイトと面接管理の担当者が違う
- W社の担当Bさんは不満だと言っている
- W社は説明会やイベントを別会社に担当させている
<意見>
- W社の担当者はA社の要望に応えていない
- W社の担当者は理解不足
- A社のイメージが伝わっていない
- W社の面接管理システム担当者は細かいことに気づいていない
問題2の解答
事実と意見を区別して書き直してみるとこうなります。
山田部長
本日A社の採用担当B様とアポイントメントが取れましたのでご報告致します。
<1>A社の使っているR社の採用システムについて不満があると言っている
具体的には
- R社は求人サイトと面接管理の担当者が違う
- W社は説明会やイベントを別会社に担当させている
を挙げていました。
<2>山田の所感
- W社の担当者はA社の要望に応えていない
- W社の担当者は理解不足→サイトからはA社のイメージが伝わっていない
- W社の面接管理システム担当者は細かいことに気づいていない
以上です。
今後の営業方針について一度打ち合わせをお願いいたします。
山田
不満の具体例として、担当の違いや別会社になっている件を挙げていたので、タイトルを不満として、「具体的には…」で説明につなげました。
また、担当者の理解不足でA社のイメージが伝わっていないというのは、「担当者の理解不足」も意見ですが、「A社のイメージが伝わっていない」というのも意見であり、意見の根拠も意見になっていることに注意が必要です。ここでは、根拠となっている「サイトからA社のイメージが伝わってこない」という意見を一段下げて表現しました。
意見を書くことは悪いことではありません。しかし、上司との打ち合わせの中で、同じ事実を前にして上司は違う所感を持つかもしれませんし、それこそが上司との打ち合わせの大きな目的でもあります。よって事実と意見は明確に区別して情報提供することが大切なのです。
◇◆◇
「事実と意見をわける<基本>」でも述べたように、ビジネスの場では、自分に都合の良い情報を「事実」のように扱ってしまいがちです。また相手に、根拠のない自分の「意見」への共感を求めがちです。トラブルを避ける、あるいは交渉で相手を説得するためには、「事実」と「意見」を明確に分けて扱う必要があるのです。
次回のテーマは「モレなく考える」です。モレなく考えるための「フレームワーク」についてもご説明します。
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