働き方

植物と共生する働き方改革がオフィスを変える トヨタとパソナが共同研究 (2/3ページ)

SankeiBiz編集部

 具体的には、実証実験に基づくストレス軽減につながる緑視率と独自の植物データベースに基づき、クライアント企業のニーズに応じて最適なオフィス緑化空間をデザインしている。興味深いのは「人は視界に占める植物が多すぎてもストレスを感じ、パフォーマンスが低下する」(PBS)としている点だ。研究を進めた結果、最適な緑視率は「10~15%」であることが分かったという。

 では、果たしてそのストレス軽減効果はいかほどのものなのか。PBSによると、コモレビズに関する実証実験で、植物なしの場合に比べて、植物ありのオフィス空間の方が在席者の平均ストレス値が11%下がった。さらに植物に自然環境音を加えると24%までストレス軽減効果が高まったとしている。PBSでは昨年4月から、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの空間音響サービス「Koone(クーネ)」とも協業を始めている。

トヨタグループの従業員が実験に協力

 PBSはさらに一歩進んで、今年5月21日、トヨタと共同で植物と共生する空間が人間にもたらす効果について科学的な解明を目指す研究を行うと発表した。

 トヨタは近年、自動車以外の新しい価値創造のための基盤研究を行っており、その一環として、人の健康や心身機能の維持向上に寄与する空間設計の研究に取り組んでいる。国内有数の研究機関をもつトヨタと組むことで、「コモレビズを進化させる」(PBS)狙いだ。

 主な研究テーマの柱は2つだ。まず、バイオフィリックデザイン空間がストレスや疲労の感じ方などにおいて人間にどのような効果をもたらすかを、心拍データやストレス試験などで調べる。さらに、植物が人に与える主観的指標(暖かみ、柔らかさなど)や植物の形状などを定量評価し、これらの相関関係を「見える化」する。そして「あたかも自然の森林の中にいるように感じられる」空間設計について定量評価する手法を確立したいとしている。

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