働き方

植物と共生する働き方改革がオフィスを変える トヨタとパソナが共同研究 (3/3ページ)

SankeiBiz編集部

 実験にあたっては、トヨタ自動車未来創生センターが保有する太陽光型環境制御温室(バイオトロン)を活用し、バイオフィリックデザインに基づく複数の実験空間を製作した。被験者はまずはトヨタグループの従業員から選ばれる予定だ。

 実験では、「疲労感軽減が期待される植物群」「集中力アップが期待される植物群」「活力アップが期待される植物群」など、さまざまな植物がテストされる。植物の選定にあたっては、都内の生花店「青山フラワーマーケット」の運営会社が協力する。

先行するシリコンバレーを追う

 PBSとトヨタは共同研究の成果に基づき、2020年代前半までに「コモレビズ」を進化させた「コモレビズ2.0」として、より高度な科学的検証に基づき、企業のオフィスなどへのサービス提供につなげたい考えだ。

 米国では、アップルやグーグル、アマゾンといったシリコンバレーなどのIT企業が、オフィス空間に大胆に植物を取り入れる動きが加速している。競争の激しい業界で日夜仕事をする従業員のストレスをやわらげ、またそうしたオフィス空間に魅せられた人材が集まってくる好循環が生まれているのだ。

 日本でも政府の掛け声で働き方改革の機運が高まり、生産性の高いオフィス空間をどうつくっていくかが企業に問われている。

 PBSの岩月隆一副社長は「トヨタの持つ研究の知見とコモレビズがオフィス向けに培ってきたナレッジの融合により、新しい空間価値を見出したい。将来的には、自然界で享受できる心身浄化作用を人工空間において科学的精緻に再現するライトプレース(人間に最適な自然環境)の提供を目指す」とコメントしている。

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