東京商工リサーチ特別レポート

企業で「粉飾」発覚が急増 40年以上横行のケースも、その背景とは? (2/3ページ)

東京商工リサーチ

取引銀行約20行、それぞれに決算書作成

 5月14日、負債90億円を抱え東京地裁に民事再生法の適用を申請した手芸用品販売のサンヒットの粉飾期間はさらに長い15年だった。

 クラフト用品や裁縫用品などの企画販売を手掛けていた。大手小売店や100円ショップへの卸とともに、直営店やネットショップでの小売りも手掛け、2017年8月期は売上高約31億5000万円をあげていた。しかし、直営店の出店費用なども含めた設備投資による借入金が重くのしかかり、窮屈な資金繰りを強いられていた。

 取引金融機関約20行のそれぞれに粉飾決算書を作成していた。手口は単純で、借入残高の操作が多かったようだ。これだけで約60億円の債務超過の企業を、約10億円の資産超過の優良企業に変貌させていた。発覚理由は、ある銀行用の決算書を、別の銀行に提出したため。15(年)×20(行)=300(通)。間違えても不思議でない。

名門企業が40年前からの粉飾を告白

 10年、15年の粉飾決算で驚くのは早い。6月に中堅のA社がバンクミーティングを開催した。そこで、衝撃的な事実が明かされた。

 粉飾決算の告白、借入元本の返済猶予と資金支援の要請はある意味、ワンパターンだ。だが、粉飾決算の期間が40年以上と聞かされ、参加者は呆気にとられたという。当初の担当者はとっくに定年退職し、金融機関も責任の所在に苦労するだろう。

「てるみくらぶ」社長逮捕も“教訓”に

 バンクミーティングは、金融機関への支援要請だけが目的とは限らない。倒産したある企業の関係者は、「最初から無理とわかっていたが、粉飾決算の責任追及を避けるために開催した」と語る。

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