高論卓説

曖昧な印象評価、数値化で明確に 内定辞退率の予測は減速させるな (1/3ページ)

 就職情報サイト「リクナビ」が、利用学生7万人のデータを用いてAI(人工知能)活用で算出した、内定辞退率予測サービスを38社に販売。しかし、8000人の学生からの同意が不十分だったことが分かり、サービスが廃止されるに至った。(モチベーションファクター代表取締役・山口博)

 利用企業は次々と露呈され、異口同音に「評価には使用していない」「既にデータは破棄した」と説明。リクナビを運営するリクルートキャリアの小林社長は「新卒者の就職支援事業を抜本的に見直す」と謝罪した。言うまでもなく今回の問題は、個人情報取り扱いの観点から極めて深刻だ。リクナビのサービス廃止、就職支援事業の見直しも当然だろう。

 だからといって、この問題によって、内定辞退率予測サービス自体の開発や提供が永遠に閉ざされるようなゼロサムの判断に陥ってはならない。このサービスは、内定辞退率予測という、これまで担当者の印象評価に頼るしかなかった曖昧な領域を、客観的な数値で予測することに挑んだ取り組みだからだ。個人情報取り扱いが万全にされたサービスとして再び提供されることを望むばかりだ。

 印象評価にとどまっている領域の最たるものが、能力評価だ。業績評価は売り上げや利益など数値で捉えられるものも多いが、能力評価となった途端に、評価方法が、「Aさんは能力がある」「Bさんは能動的だ」「Cさんは実行力がある」というような上司の印象評価にとどまってしまう。

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