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日本のドラマは「言わない」 イノベーションには不向きな美学 (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 主人公が言わないことを中心に物語の展開を図るのは、何も日本の作品だけではないが、特に日本のテレビドラマで多用される手法になっていることが気になる。

 最近のテレビドラマは漫画を原作としていることが多いから、漫画においてもそうなのだろうか。これはぼくがフォローしていない分野でまったくコメントできない。

 いずれにせよ、テレビドラマをつくる人たちが「視聴者は、こういう展開にしておけば食いつくよ」と思っているらしいことは想像がつく。

 これは暗黙の了解の強さや空気を読む、または他人に余計な心配をさせない、迷惑をかけない。こういう点を重んじる土壌があるからだろう。

 だが、もしかしたら、製作者の思い込みが視聴率の低下を招く一因ではないかと邪推しないわけでもない。そこでぼくは考える。

 あらゆるところでガラス張りであることが善とされることに対して異を唱えているのか、ガラス張りではない世界への懐古なのだろうか、と。

 「やっぱり、黙っていること、隠しておくことに人の美学が出るのだ。あまりに見せすぎるのは不自然だからストレスフルだ」と言いたいのだろうか。さすがに拡大解釈に過ぎるだろうか。

 だが、何を言って、何を言わないか。ある組織を運営する基準としてではなく、一般的な社会生活における参照すべき基準とはあるだろうか。

 そんなのないはずだ。

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