ある人は「それでも言って欲しかった。言わないでいた神経が分からない」と思い、ある人は「心が乱れないで良かった。その心遣いが嬉しい」と受け取るものである。
だから、この人はどういう受け取り方をするタイプなのかについて、観察力と判断力が求められているわけだ。そして、こういってはもともこもないが、コンテクスト次第としか言いようがない。逆に、それだからこそドラマとして成立するわけでもある。
さて、こうつらつら考えてきて、かつての日本の社会はいざ知らず、今も、「言われない」「言わない」ことを特徴としているがゆえに、スムーズに回っていると理解するのが適当なのだろうか、ともう一度問う。
いや、スムーズという言葉には語弊がある。どこの社会においても、ぎくしゃくまわっているのが通常であり、小さな組織でもなければ、スムーズと形容するには無理がある。
少なくても、こうは言えるかもしれない。
決まりきったことをその通りに進めることを重視する社会では、即ち、イノベーティブなことを生むカオスを歓迎しない土壌では、「言わない」のが美徳と評価される確率は高い。
というわけで、新しい世界を見たいなら「とにかく、思ったこと、知ったことは言ってみようよ!」という台詞がでる。
だが、あまりにありきたり過ぎる。陳腐だ。もう少し考えてみよう。結論はいつ出るか分からない 苦笑。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。