社長を目指す方程式

相手の性格を「5つの因子」で把握 部下を適切に管理して活かす便利ツール (1/3ページ)

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:「ビッグファイブ(特性5因子)理論」》

 こんにちは、経営者JPの井上です。最近はHR Techに注目が集まっており、人事管理や組織管理、目標管理や採用管理のクラウドツールも百花繚乱。AI採用、AI社員管理などがバズワード的にニュースにもなっています。

 それらのクラウドツールにも様々なアセスメントが組み込まれていたりしますが、御社では採用や社員管理で導入されている性格検査や適性検査(=性格検査+能力検査)はありますでしょうか? あるいはご自身で受けてみた性格検査、適性検査もあるかもしれません。

 様々な性格検査があるなか、「パーソナリティ検査の最終回答」と言われているのが「ビッグファイブ(特性5因子)理論」です。1990年代、心理学者のルイス・R・ゴールドバーグが『パーソナリティの特性論(性格分析)』において「人間が持つさまざまな性格は5つの要素の組み合わせで構成される」としたものです。今回はこの「ビッグファイブ(特性5因子)理論」をご紹介してみます。

 私たちの性格を説明する、たった5つの因子

 早速ですが、ビッグファイブの5つの因子とは「Extraversion(外向性)」「Neuroticism(神経症的傾向)」「Conscientiousness(誠実性)」「Agreeableness(協調性)」「Openness(開放性)」です。誰もがこの5つの因子を持っていますが、人によってこの5つの因子の強弱が違うため人の性格や振る舞いに違いが出るというのが、ビッグファイブの学説が主張するところです。

 そもそもこのビッグファイブが「パーソナリティ検査の最終回答」と言われるゆえんは、これまで存在してきた様々な性格検査が、この5つの因子のいずれかに統合されるか、関連づけられることを証明したからです。さてでは、ビッグファイブの5つの因子をご紹介しましょう。

(1)「Extraversion(外向性)」 心的エネルギーが外に向いているかを判定。

 ■キーワード:外向的、話し好き、明るい性格

(2)「Neuroticism(神経症的傾向)」 精神的バランスが安定しているかを判定。

 ■キーワード:感情の安定、くよくよしない、情緒安定

(3)「Conscientiousness(誠実性)」 プロ意識を持ち、向上心があり、努力家か。中途半端を好まず、徹底的に行動するタイプを判定。

 ■キーワード:徹底さ、正確さ、努力、プロ意識

(4)「Agreeableness(協調性)」 周囲と上手くチームを組んで活動できるタイプか否かを判定。

 ■キーワード:チームワーク、仲間意識、団体行動、協力行動

(5)「Openness(開放性)」 知的好奇心が強く、新しい事に挑戦し、経験や知識を増やしているかを判定。

 ■キーワード:知的好奇心、知性、新奇欲求、探究心、経験の開放

 ※『パーソナリティを科学する』『パーソナリティ理論を応用した5つの性格診断 ビッグファイブ プラス』等を参考に筆者作成

 どうです? 私たちの性格は、要はこの5つで構成され、決まっているのです。読者の皆さんには、「なるほど」とスッと捉えられる人と、「う~ん、そうなの? 本当にこの5つだけで全部網羅されてるの?」といまひとつ腑に落ち切らない人とがいらっしゃると思います。

 これも専門的な話なので概要だけ理解頂ければと思いますが、私たちが色々と目にする性格検査には「特性論」と「類型論」があります。

 「類型論」は「このタイプの人は、これこれの性格です」というようなかたちで現しているパターンのもの(クレッチマーの「循環気質」「分裂気質」「粘着気質」という気質類型やユングの「外向型」「内向型」に分ける機能類型など)です。この連載で以前にご紹介した「DiSC理論」や「Social Style(ソーシャルスタイル)理論」なども類型論に当たりますね。

 対して「特性論」とは性格を幾つかの構成要素に分解し、そのそれぞれの要素が量的にどの程度備わっているかという側面から性格を理解しようという考え方です。ビッグファイブは「特性論」です。因子ごとの理解なので、全体感は持ちにくいかもしれませんが、その分、因子ごとの特徴・傾向を正確に把握できます。

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