社長を目指す方程式

相手の性格を「5つの因子」で把握 部下を適切に管理して活かす便利ツール (2/3ページ)

井上和幸
井上和幸

 ビッグファイブは、全部高スコアならよい、という訳ではありません。そもそもそのような人は稀です。それぞれの因子ごとに高くても低くても、それぞれに良い側面とネガティブな側面とがあります。私たちがそれぞれ、どのような生活を送り、コミュニティに属し、また仕事をしているかにより、向き不向きや発揮すべき因子要素が異なります。大切なのは、「自分らしいスタイル」が適している場になるべく所属することです。その観点で、仕事の選択、職場選び、組織マネジメントでも活用できるものと言えます。

 5因子の強弱から推し量る、部下の適切な活かし方

 では上司の皆さんが、ビッグファイブをどのように使うか。部下のマネジメントという視点で、簡単にご紹介してみましょう。

 「外向性」は、周囲の人たちとのかかわりや新しい出会いなどに対してどう反応するかを示しています。スコアが高い人は「楽観的で調子のいいタイプ」、低い人は「落ち着いているタイプ」。高い部下は、放っておいても自分から話しかけてきますから自由にさせてあげるのがよいでしょう。一方低い人は、自分をいじってくれるのを待っていたりします(笑)。こちらから絡んでいってあげることが良好なコミュニケーションを築くちょっとしたコツになります。

 「神経症的傾向」は、プレッシャーのかかる仕事や不安になるようなトラブルなどネガティブな出来事に対してどう反応するかを示します。

 スコアが高い人はネガティブな出来事に遭遇した際、動揺しやすいが傾向がありますから、上司から安全性の担保やリスク回避の具体策を提供してあげることが必要です。一方では感受性が高く、繊細な気配りができる人なので、その良さを活かした仕事を与えることが望ましいですね。

 低い人は物事に動じず、冷静に判断を下すことができるので、タフな局面に頼もしい部下です。変革を擁するような仕事のリーダーとして抜擢するのが本人にとってもやりがいある仕事になります。一方では、自分に近づく危険に気づくのが遅いという側面もありますから、あまりにイケイケで進んでいるときはリスクチェックを促してあげると上司としての株があがるでしょう(笑)。

 「誠実性」は、目の前で起きた出来事、定められた目標に対して、どう対応していくかを示します。

 スコアが高い人は、一点集中型で目前の問題解決や目標達成に向けて誠実に取り組む性質を持っています。長期的な計画を立てて遂行することも得意で、公私共に安定感のある人として頼られる存在でしょう。こんな部下が自分の下にいたら感謝ですね。しっかりテーマを与えて取り組んでもらいましょう。

 低い人は注意散漫で飽きっぽい性質を持っているので、上司としては気苦労が絶えないかもしれません…。ただし衝動的な分、さまざまなものに興味を持ち、行動力を発揮する能力も兼ね備えているとも言えますから、新規開拓や新規事業などで力を発揮してもらう場を検討するのも一考です。

 「協調性」は共感能力、チームワーク力と言い換えることができます。スコアが高い人は共感能力に優れ、面倒見のいい人物として周囲から信頼されているでしょう。このタイプの部下には、部署内で折々発生する各種のプロジェクトワークで取りまとめ役の担当リーダーを務めてもらいたいですね。

 一方スコアが低い人は、相手の感情に寄り添うのが苦手で、誤解を招くことも少なくありません。ただ、このタイプは同時に、理詰めで物事を判断しすばやく決断する能力を備えているので、カリスマ性のあるリーダーとなる可能性も秘めています。いわゆる一匹狼タイプ。仕事力が高いならば、大きなゴールだけ握り、あとは委譲して自由にやらせてあげることで爆発力を期待しましょう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus