社長を目指す方程式

社長の必須能力…かつてリクルートも導入した「MBTI」で培う人間鑑定力 (2/3ページ)

井上和幸
井上和幸

 ユングの心理学的類型論に基づく6つの指標(外向:E、内向:I、感覚:S、直観:N、思考:T、感情:F)に、判断的態度:Jと知覚的態度:Pという独自の指標を加えて4指標16タイプで性格を捉えます。「外向:E」と「内向:I」、「感覚:S」と「直観:N」、「思考:T」と「感情:F」、「判断的態度:J」と「知覚的態度:P」が対抗因子となり、図のように解釈されます。

 「外向:E」と「内向:I」はエネルギーの方向が「外の世界、人や物に向かう」か、「内的世界、観念や思考に向かう」かを表します。「感覚:S」と「直観:N」は知覚の方法が「五感を通して実際に起きていること、現実に向かう」か、「直感で事実を超えて可能性や未来に向かう」か。「思考:T」と「感情:F」は判断の方法が「頭で考える、論理的、客観的」か、「ハートで感じる、感情的、主観的」か。「判断的態度:J」と「知覚的態度:P」はライフスタイルが「計画好きで定められた行動を好む」か、「自由で流れに任せる」かを、それぞれ表します。

 かつてリクルート社員たちはMBTI型で互いのタイプを認識

 40歳くらいより上の世代で、新卒採用などでリクルートの適性検査SPIを受検したことのある方、人事などで取り扱っていた方はご記憶かと思いますが、このMBTIは開発された早々の時期にリクルートのテスト開発チームが知りライセンス供与を受け、日本版にローカライズされSPIに組み込まれて「TI型」と呼ばれ使われていました(残念ながら2000年代半ばでライセンス供与終了に伴い、SPIからTI型は外されました)。

 当時のリクルートの新入社員紹介冊子などにはこのTI型も記載されていて、お互い「お前、何型?」「俺、ESFP」とか会話されていたのです。ちなみに私はリクルート入社時はENTPで、先日、当社メンバーたちでWEBでの検査をしたところENTJでした。

 こういう因子を全社員で共有し、お互いのキャラクター理解の一助としていたのも、リクルート創業者である故・江副浩正さんの考える「組織活性化集団」の作り方の方策であったのだと思います。

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