社長を目指す方程式

コロナ禍の今こそ自己テーマを明確にして、日々の仕事をコントロールせよ (3/3ページ)

井上和幸
井上和幸

 価値観・テーマに忠実に、日々の仕事や生活をコントロール

 この作業を通じて、自分の大切にしているもの、価値観、テーマがくっきり浮き上がってきます。どうでしょう、皆さんの価値観やテーマは明確になりましたか? いったん自分自身の最上位の価値観を発見、確認できれば、あとはそれに従って仕事やキャリア、日々の生活をコントロールしていくだけです。

 実はここがポイントで、「今回明らかになった、確認した自身の価値観・テーマに、常に忠実に行動する」ことを徹底するのです。時折、せっかく自分の価値観やテーマはしっかり把握できているのに、それに従わず、異なることにばかり時間やお金を使ってしまっている人がいらっしゃいます。これでは人生の目的を達成することは叶いません。

 私たちの不安の素は、「自分の未来と現在が結び付けられない(未来像や目標・ゴールが見えない、イメージできない)」ことか、「自分の未来と現在を連結できていない(自分が進むべきと思っている道の方に歩むことができていない)」ことから発生するそうです。

 購買心理や中毒症状における脳機能の働きの研究で有名なスタンフォード大学のブライアン・ナットソン教授は「未来との心理的距離が近い者ほど不安に強く、セルフコントロール能力も高い」という<自己連続性の高さ>の重要性を実験により明らかにしています。自己連続性の高い人ほど、未来の自分の身になって考えることができ、現在の決定が未来に及ぼす影響を実感できるのです。

 自分の目指したい未来像と現在をくっきり結び付けられていることが、自分自身としても周囲から見ても、迷いなく明朗に仕事にも人生にも向き合い進む力を産みます。こういう時期だからこそ、自己テーマをくっきりさせ、混迷な環境の中にあっても快活に未来に進む上司となりましょう。

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井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

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