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異論噴出の“都道府県魅力度ランキング” 調査会社社長「私に怒ってもダメ」 (2/3ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

全国約400の自治体が購入する報告書

 「われわれが評価しているのではなく、日本人が評価した結果をわれわれが発表しているだけの話です。選挙で投票するのは住民の人たちで、それを集計するのは選挙管理委員会です。われわれが選挙管理委員会(の立場)です。やっているのは国民ですから、『やり方がおかしい』とか『発表の仕方がおかしい』という怒りの矛先が自分たちに向くのはどうなのかと思います」

 低評価の続く北関東3県の関係者を中心に、魅力度ランキング調査に異論が噴出していることに同社の田中章雄社長は戸惑いを隠せない。魅力度ランキングが含まれる「地域ブランド調査」は2006年から始まり、今年で15回目を迎える。当初は市区町村別の魅力度ランキングだったが、2009年から都道府県も加わった。

 同社によると、今年6月24日から7月20日にかけて全国の20~70代の男女を対象にネットで実施。31734人の有効回答が集まったという。ただ、1人の回答者は20の地域について回答しており、地域ごとの回答者数は平均で約599人。つまり、最下位となった栃木県について回答したのは600人ほどとなる。同県の福田知事が「数を増やすべきだ」と要望したのはそのためだった。

 信頼性や妥当性などに疑義が生じている理由の一つに、観光意欲度や居住意欲度ではなく、魅力度のランキングだけが「独り歩きしている」(栃木県)ことがあるとみられる。1位から47位まで順位がすべて公表されているのは84項目のうち魅力度しかないためだ。だが、田中社長は「公表するのは(魅力度の)1つだけにしています。その方が分かりやすいからです。非常にシンプルな形で数値化しています。たくさんの指標から足したり引いたりして指標にするものと、どちらがが信頼性が高いのかと言えば、単純な方が統計から言っても信頼性が高いのです」と説明する。

 回答結果は年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように年齢や地域人口の分布にあわせて再集計。地域のブランド力を消費者が各地域に抱く「魅力」で数値化し、その魅力がどのような側面から評価されているのか、観光意欲や居住意欲、産品購入意欲など他の項目結果から分析できるように設計しているという。

 同社の設立は2005年11月で、資本金は2500万円。地域ブランドや企業ブランドの戦略立案、調査などに取り組む企業だが、社員は10人ほどで、規模はそれほど大きくはない。

 しかし、田中社長は「われわれ10人だけで調査をやっているわけではなく、サンプリングの調査モニターは複数の会社を使っています。どこかに偏りがないように、約450万人の調査モニターを確保しています。とてもお金もかかっており、調査に関係している(人数)だけでいえば、100人は軽く超えます」と強調する。

 魅力度の調査では、提示した地域名に対し、「どの程度魅力的に思うか」を質問し、「とても魅力的」から「まったく魅力的でない」までの5段階評価で回答。そのうち「とても魅力的」「やや魅力的」などと回答した人の割合のみを反映し、それぞれ選択肢に付与した点数を加重平均したという。この結果、最も魅力度が高かったのは北海道で、2009年から12年連続で1位をキープしている。

 「地域ブランド調査2020」の報告書は販売されており、群馬県が公費で購入した総合報告書(1047自治体収録・7万4000円)のほか、1自治体の詳細な結果をまとめた個別報告書(4万6000円)などがある。こうした報告書は全国約400の自治体が購入しているという。

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