ブランドウォッチング

世界のお茶専門店「ルピシア」 在宅の生活者と企業がつながる時代、本社ニセコ移転で勝負 (2/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

「お茶」の魅力を、再定義

 そんな中で「世界のお茶専門店」を標榜し、多様な茶葉やティーバッグなどを販売するルピシアがなかなか時勢に合ったユニークなブランドポジショニングを提供しているように思い注目しています。

 まず驚かされるのが、お茶の種類の豊富さです。紅茶を中心に、緑茶、中国茶など確かにお茶と定義されるアイテムを網羅してくれているだけなく、メインの紅茶で言えば数十種類の品種やフレーバー違いの商品が用意されているのです。

 ショッピングモールなどに展開されるルピシアの店舗では、それらのお茶がすべて茶葉の色や形状、香りを試せるかたちでディスプレイされており、選択する楽しみをプレゼンテーションしてくれています。

 シーズンごとの茶葉やフレーバーの訴求にも力が入っていて、リピーターをも飽きさせない工夫も随所に感じられます。

 特に特徴的なのが、通販事業に非常に力を入れていることで、店頭で商品を購入するなどして会員に登録すると「ルピシアだより」というお茶の情報誌を毎月自宅に届けてくれるのです。この冊子が、お茶をテーマにした情報満載の興味をそそる作りになっていて、次はこんなお茶、茶葉を試してみたいという良きガイドになっています。

 さらに楽しいおまけとして、「ルピシアだより」には毎号「ティーバッグ」と「リーフティー」のサンプルがそれぞれ一つついていて、実際にオススメのお茶を試せることも小さなエンターテイメントです。

 今までもこだわりのお茶を提供してくれるお店やティールームは存在しましたが、非常に高価だったり、限られた繁華街にしかお店がなく、一般的ではなかったように思います。ある程度リーズナブルな価格帯で、その製品の文化までさかのぼって、多様な商品を提供してくれるという点で、「ルピシア」はありそうでなかった存在ですし、「お茶」という身近な商品に新しい光をあてたことでもさらにユニークな存在です。 

あえてニセコへの本社移転は、ブランディング面でも戦略的

 ブランドのプレゼンテーションは堅実だと思います。

 ラクダとそれをひく人は、シルクロードのイメージなのでしょうか、ルピシアという日本離れしたネーミングを含めて、お茶の歴史や文化のエキゾチシズムを感じさせることに貢献しています。

 でも、このブランドが好感を持たれる部分としては、種類の非常に多いアイテムのパッケージ一点一点の丁寧な作り込みや、お店作り、通販サイトの情報提供の仕方など、奇をてらわずにかわいらしさや丁寧さを感じさせてくれる部分であるような気がします。売らんかなではなく、真っ当に良いと思うモノを提供しようという姿勢が感じられるブランドパーソナリティは、会員制を前提にリピーターを大事にしようという方向性にふさわしいものです。

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