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コミュニティを動かす力 現役世代の「学びへの気力」が勝負どころ (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ぼくは大学生の頃、世代論の雑誌記事があると熱心に読んでいた。新しい世代、まさしくぼくらの世代が上の世代からどう評されるのかに関心があったのだ。今であれば、1995年以降生まれのZ世代に対する論評をZ世代として面白がる、という構図になる。

 さて先日、音声ソーシャルメディアを聞いていてアレッと思う展開があった。地域をどう盛りあげていけばいいのかを30-40代であろう人たちが話し合っているところに、今春から大学生になる10代の若者が発言をした。

 「今のようにスマホを使えない高齢者と情報格差がある限り、地域は元気になれない。だからスマホを使える人が全員になるタイミングを待たないと無理だ。ぼくがおじいさんになったときには問題がないはず」という見方を披露した。

 テクノロジーは頻繁に進化していく。発言した彼も、10年後には「もう大学生の情報取得力にはかなわない」と言っているかもしれない。そのくらいに、変化のスピードがあまりに速い。

 だが、ぼくが経験する限り、若い人は次のように反論する傾向にある。

 「製品のユーザビリティに対する研究は各段に進んできているから、新しいテクノロジーは最初の投入の時から使い勝手はさほど問題にならないはず」

 ただ、どのようなテクノロジーも試行錯誤の末にカタチになっていく。そのプロセスで苦労した経験が少ないから、想像が追いつかないのは仕方ない。

 しかし、もっと大きな問題が別のところにある。

 年齢が上にいくにしたがい新しいことを学ぶ、あるいは馴れることがしんどくなっていく。こういう、人が運命として避けられない性質をどう考えるかである。

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