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物事の全体像を見るには 「問題解決」と「意味形成」の関係性だけでは不足 (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 「意味のイノベーション」のエヴェンジェリスト的な活動をはじめて4年近くになる。立命館大学経営学部の八重樫文さんと『デザインの次に来るもの』を一緒に書き、現在、ストックホルム経済大学でイノベーションやリーダーシップを教えるロベルト・ベルガンティの『突破するデザイン』を監修したのが2017年だ。

 情報が氾濫している時代において、我々は自分たちのありかや向かうべき方向を自身でどう決めていけば良いのか、ということを上記の2冊の本で語っている。殊に「ビジネスとは社会の問題を解決する存在である」と宣伝と弁明も含め盛んに発信されるなか、「我々は問題を解決するために生きているのか?」との自問はどうしても出てくる。

 また、「デザインとは問題解決である」というセリフもあまりに普及したことで、複雑な社会問題を解決する企業活動にデザインが有効であるとのロジックも通りがよくなった。だが、「デザインは問題解決のためだけにあるのか?そんなことはないだろう」との批判や反省も出てくる。

 「デザインとはものごとに意味を与えることだ」との考え方に基づき、意味形成(=センスメイキング、意味付け)の領域に再び目を向けるべきだと主張したのがベルガンティだったのだ。ぼくたちは意味を実感するために生きているのだ。例えば、子どもに人生でそれを感じて欲しくて子どもを授かったのであって、子どもたちに問題解決して欲しいために子どもをこの世に迎えたわけではない。

 

 「意味のイノベーション」はそういう文脈のなかで説かれている。

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