ローカリゼーションマップ

スニーカーでもOK…カジュアルなミラノの葬儀に思う「これでいい」 (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ミラノの葬式風景について書いてきた。

 誰もが泣き崩れておかしくない葬式という非日常世界に厳格なしきたりを適用しなくなった。その変化の意味をぼくは考えたいのかもしれない。しかし、人に聞きまわって背景を調べたいというという気にもならない。

 教会で葬式に参列するたびに「これでいい」と思うだけだ。

 ある人の死に想いを馳せる場において、ただただじっとそこに佇んでいる以上の何かができるわけでもない。赤ん坊がいれば、その泣き声が世代交代を暗示させることもあり、特に親が赤ん坊を連れてミサの席を外すこともない(とは言うものの、我が家の息子がまだ1歳半のとき、いったん教会の外に出ざるをえないこともあったが・・・)。

 ある意味、葬式のミニマリズムと称しても良いのではないか。家族葬がミニマリズムの一つと考えられるが、公に事前に告知した葬式のオープンなあり方として、ミラノで経験する葬式に「これでいい」と思うのである。 

 ぼくは欧州の他の国で葬式に参列したことがないので、他と比較することはできない。日本しかない。だが、そんなに比較する必要もないだろう。

 それにしても教会の中の広い空間もムッとするほどの日だった。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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