ローカリゼーションマップ

アフガニスタンの現状に思う 全体像は分からずとも…見える“人の移動” (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 アフガニスタンの現状を報告する各国の人たちの記事、あるいはアフガニスタンの人たちの直接の声を読みながら、これらの情報をどう理解すればよいのかよく分からない。

 基礎的な知識や経験がまったくないのだ。それなりの種類と数の解説を読んで思うのは、「把握するのがえらく難しいのが確認できた」である。

 あらゆることを全部知ることはできない。あらゆることを実感するのはもっと難しい。しかも地域として統一的な制度が適用されていないと、さらに理解が難しい。 

 ただ、ここから多くの人数の難民が生じつつあるのははっきりと分かる。そして、それらの人たちが世界各国に散らばっていっていることも明白だ。

 アフガニスタンの現状や背景が分からなくても、人の移動は目にはっきりと見える。その人たちの多くが生存を続けるに困っていることも想像できる。そして、人が人として扱われない精神的苦痛を伴っていることも、だ。

 冒頭の話をボスがしてくれたとき、「イタリアは中東やアフリカとヨーロッパのつなぎとしての役割を長く負ってきた。外交政策もその文脈で理解すべきだ」とも聞いた。

 今起こっていることを現実として受け止め、その現実の裏にある背景を分かろうと努力をしながらも、押し寄せる人の波を波としてイタリアで物理的に感じる日が迫っている。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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