振り返れば、それだけのムーブメントとは言っても多くのバンドマンも社会に出ると時間が取れない、メンバーが散り散りになるなどで所詮は学生時代限定の活動になることが多かったことも事実です。振り返れば地元の楽器店はいつもボロボロでしたし、貸しスタジオなんて壁面の防音材のグラスウールがむき出しにだったりで大人になってしまった今となってはちょっと敬遠したくなるような場所しかありませんでした。四六時中触っているギターやベースにしてもバイト代を奮発して買ったブランド物と言っても10万円もしないものだったのです。
でもそれが今となってはやはり懐かしく愛おしいのです。むしろ学生時代のちゃちな経済と、一方でそんな質素さをお互いのデフォルトとして仲間とあーだこーだと一緒に音楽活動した、分かっていたことではありますが、やはりその時間と空間はかけがえのないものでした。
そうそんなプライスレスな郷愁と思いをバンド活動に抱く世代が大人、もしくは”大”大人の世代になったのです。昔はモラトリアムを思いっ切り楽しむ自堕落な昼に起きるような生活をしていた面々も今や立派な壮年期。結構なメンバーがあるいは意外な出世をしていたり、堅実に何らかの道で一家をなしていていたりもしています。
そう、バンドマンたちは今やレクサスオーナーのターゲットど真ん中の世代となっているのです。
■ロック談義から生まれる深い共感を目指して
そこでフェンダーです。フェンダーと言えば、数々のミュージックシーンを彩ってきたエレキギターの大王道ブランド。特に今回レクサスとコラボレーションした「ストラトキャスター」はロック史に残る名ギタリストたちに愛用されてきたことで知られ、例えば昨年亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレンなど、そのユーザーリストはもはやポピュラー音楽史そのものと言ってよいような大名跡です。もちろんかつてのアマチュアバンドマン、ロック好きの深い部分に刺さるブランドあることは言うまでもありません。
レクサス側からすれば、一筋縄ではいかない高級車ユーザーのインサイトに、欧州ブランドなどにも伍していかなければならないなかで、よりターゲットユーザーの深い部分での共感。いわば、たまたま隣り合ったバーのカウンター初対面同士がロック談義から、一夜にして胸襟を開く間柄になるような、そんな刺さり方していきたいということなのです。