エンジンパワーは…「おっとり系?」
クルマに乗り込み神奈川県の箱根町を目指す。パワートレインは、1.6リッターの直4ターボエンジンに7速ATを組み合わせた後輪駆動車(FR)だ。最高出力は115kW(156PS)/5300rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1200~4000rpm。この辺はすべてCクラスセダンと同じスペックだ。
運転して10メートルも走らないうちに気付くのだが、ドライブモードをノーマルのままアクセルを踏むと、パワーにやや物足りなさを感じる。「思っていたよりもおっとり系なのかな…」。エコモードに入れると、完全に省エネ走行に徹しているのが分かる。パワーが不要のときは極力燃費を抑えて、ここぞというときにターボを効かせるダウンサイジングエンジンの特徴が伝わってきて、これはこれで合理的。信号機とトラフィックが多い市街地でエネルギーを無駄遣いする必要など全くないのだから。
では、このクーペは単なる見掛け倒しなのか。いや、そんなことはなさそうだ。高速道に入り、ダイナミックな走りを楽しめる「スポーツ+」モードを選択してアクセルを踏み込むと、4000回転まで一気に吹け上がり、高レスポンスのスポーティーな走りを披露。ターボのアシストのおかげで、高速度域で十分な加速力と伸びを発揮する。エンジンサウンドも“派手”な味付けにチェンジ。本格的なスポーツクーペと肩を並べるほどではないにしろ、ノーマルモードの手応えが薄かったこともあり、「けっこう熱い走りができるじゃん」となんだかホッとしてしまった。ただし、燃費を考えると「スポーツ+」で走り続けるのは非経済的。ベンツユーザーだって燃費は気になるはずで、走行シーンに合わせたモードの使い分けは大事だ。