“爆買い専用”の大型アウトレット店を千葉に ラオックスが中国大手と共同で

 
千葉ポートスクエアの運営会社のプレートの横に立つラオックスの羅怡文社長(右)と、緑地集団の張玉良董事長兼総裁=28日、千葉市中央区のカンデオホテルズ千葉(松村信仁撮影)

 免税店大手のラオックスは28日、中国最大の不動産開発会社、緑地集団と共同で昨年12月に取得した複合施設「千葉ポートスクエア」(千葉市中央区)に、日本初の訪日外国人(インバウンド)向けのアウトレット店を整備すると発表した。年内の開業を目指す。

 ラオックスは商業棟のキーテナントとして入居し、売り場面積は約1万6500平方メートルの見通し。昨年の訪日外国人数は過去最高の1973万人に達したが、今後、リピーターの増加で従来の「爆買い」から、体験型の「コト消費」の需要が見込まれており、両社はポートスクエアにあるホテルなども活用しながら、日本文化が味わえるような施設を目指す。

 ラオックスと緑地集団は、千葉ポートスクエアの施設全体を運営する合弁会社をすでに設立。資本金は約93億円で、緑地集団が65%、ラオックスが35%を出資した。

 千葉ポートスクエアはJR京葉線千葉みなと駅から徒歩10分、成田空港からも40キロほどの場所にある。28階建てのオフィスビル、約270室のホテル、商業棟やホール、1100台収容の駐車場を備えた複合施設で、施設全体の敷地面積は約2万1000平方メートルに及ぶ。

 千葉ポートスクエアは1993年に開業したが、入居率の低迷により、当時施設を運営していた千葉新都心開発が2005年に倒産。その後は海外の投資家などの間で転売が繰り返されていた。