競泳用水着の開発競争過熱 スポーツ各社、独自技術取り入れた五輪モデル続々

 
デサントの「アクアフォースライトニング」は伸縮力のあるテープがキック力を高める

 8月に開かれるブラジル・リオデジャネイロ五輪の日本代表を決める水泳の日本選手権が4月4~10日に行われるが、スポーツ用品メーカーによる競泳用水着の開発競争も熱を帯びている。各社は今年に入り独自技術を取り入れた「五輪モデル」を相次ぎ投入、有力選手に提供している。選手の活躍は絶好の宣伝となるだけに期待は大きい。

 「アリーナ」ブランドを展開するデサントの「アクアフォース ライトニング」は、体の表側は太もも、裏側はお尻から膝裏にかけて伸縮力のあるテープを貼り、キック力を高めた。ターン後のドルフィンキックに要する時間は、4年前のロンドン五輪時に比べて2.4%短縮できたという。

 東レと共同で伸縮性のある素材を開発。太ももの締め付けをきつくし、同じ脚の動きを維持できるようにした「パワータイプ」と、逆に緩めて動かしやすくした「フレックスタイプ」を用意した。代表に内定している瀬戸大也選手のほか、入江陵介選手や北島康介選手にも提供している。

 一方、ミズノの「ジーエックス ソニック スリー」は、生地が二重の部分を拡大して締め付け力を強化。疲れがたまったレース終盤も水平姿勢を保てるという。

 合わせて、レンズ周辺に特殊なプラスチックパーツを付け、入水時の衝撃や水の浸入を防ぐゴーグルを開発。人間の頭の形にフィットし、水の抵抗を減らせるキャップも投入し、「3点セットで売り込む」と意気込む。開発には、社員で代表内定の星奈津美選手が協力。活躍が期待される萩野公介選手も着用している。

 英ブランド「スピード」の国内販売権を持つゴールドウインは、初めて自社で企画した「レーザーレーサー ジェイ」を発売。「日本人の体形により合うのが売り」で、国内生産にも乗り出した。

 熱で生地を貼り合わせたベースのモデルに対し、縫い合わせることで強度を高め、価格(税抜き)は男子用で1万5000円安い2万3000円に抑えた。縫い目を極力小さくしたため、表面の滑らかさは変わらないという。同社の水着は松田丈志選手が着ている。

 競泳水着をめぐっては、北京五輪でラバー素材使用のレーザーレーサーが世界記録を連発し、国際水泳連盟がルールを変更。現在は素材や体を覆う範囲に厳しい制約を設定し、差別化が難しくなっている。人口減による市場縮小も予想されるが、デサントは「五輪の宣伝力は大きく、フィットネス用への波及効果も見込める」と期待する。