グリコ総合力の結晶「LIBERA」 チョコレート初の機能性表示食品
砂糖ゼロ、糖類ゼロをうたうヘルシー志向のチョコレートはたくさん出ているが、チョコ本来のおいしさが感じられずに物足りない-。江崎グリコは特定保健用食品(トクホ)のお茶などに含まれる難消化性デキストリンを配合することで、チョコレート本来のおいしさを維持したヘルシー志向の「LIBERA(リベラ)」を開発し、29日から発売する。チョコレートでは初となる機能性表示食品だ。
「私もチョコレートが大好きで毎日食べていますが、カロリーが気になり小さな罪悪感に悩まされてました。我慢したり、後ろめたさを感じることなく食べられるおいしいチョコレートを作りたかった」。商品企画を担当した同社マーケティング本部チョコレートマーケティング部の佐野有香さんが話す。
これまでも砂糖ゼロ、糖質ゼロの商品は市販されていたが、「なんとなく頼りない、物足りない」と感じながらも、佐野さん自身「健康的なチョコだからおいしさが多少犠牲になっても仕方がない」とあきらめに似た気持ちを持っていたという。
佐野さんのジレンマに呼応したのが、商品開発を担当した同本部商品開発研究所チョコレートグループのグループ長、山崎祥史さんだ。糖や脂肪分の吸収を抑える食物繊維である難消化性デキストリンを使ったトクホの開発に携わった経験から「糖や脂肪が気になる女性はいるはず。チョコレートに配合できないだろうか」とのアイデアが浮かんだ。
「食事のときに一緒に飲むお茶やコーラではなく、糖や脂肪を含んだチョコレートそのものに入っている。こうした使い方はあまり例がありません。総合食品メーカーのグリコならではの発想です」(山崎さん)
砂糖をゼロにするのではなく、一部を難消化性デキストリンに置き換えることでチョコ本来の甘さを維持する。「LIBERA」1食分あたりで細身のスティックシュガー約2本分相当の砂糖が削減されるという。
アイデアは社内の会議で高く評価されたが、ネックとなったのが消費者に商品の特長をいかに伝えるかだった。健康機能を伝えるにはトクホ制度があるが、臨床試験、国の審査が必要なために申請から認可まで1~5年かかり、開発コストもかかってしまう。
商品化へのハードルを下げたのが、2015年4月から始まった機能性表示食品制度だった。過去の研究論文を科学的根拠とできるため、届け出から60日以降で販売が可能となる。グリコが持つ研究機関「健康科学研究所」が数百件の論文を丹念にひも解き、申請書類へと再構成していったという。
佐野さんは「商品開発に直結する研究開発に限らず、基礎研究にも注力しているグリコならではの総合力の勝利だと思います」と振り返る。
ところで、砂糖の一部を難消化性デキストリンに置き換えた分、低下した甘さをどのように補ったのだろうか。多くのヘルシー志向の商品は人工甘味料などで代替するが、それではチョコ本来のコクや香りが引き出せないとされる。
山崎さんは「ミルクとカカオとのバランスを取って、スッキリした味わいに仕上げました。なお、難消化性デキストリンにはほとんど味や香りはありませんので、チョコレートの味を邪魔することもありません」と説明。カカオの風味がより引き立つようカカオ豆をじっくりロースト。そこに砂糖やココアバターなどの油脂、粉乳などを加えてじっくり練り上げて完成させたという。
チョコ好きとトクホのスペシャリストが二人三脚で生み出した「LIBERA」。同社は「“おいしさと健康”を掲げるグリコならではの、ユニークな発想と技術が詰まったチョコレート初の機能性表示食品です」とアピールしている。
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