G7情報通信相会合、高松で開幕 中露のネット干渉反対
情報通信技術の未来と課題を議論する先進7カ国(G7)情報通信相会合が、高松市で29日に開幕した。G7各国代表は、インターネット上の情報の自由な流通などを議論。最終日の30日にインターネットへの中国やロシアなどの干渉政策にG7で反対することで合意する見通しとなった。成果文書は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論にも反映される。
情報通信相会合は21年ぶりで国内では初。日本からは高市早苗総務相と林幹雄経済産業相が出席。議論の成果を中長期的な理念の「憲章」と短期的な行動計画を示す「共同宣言」としてまとめ、30日に採択する。
初日の会合では、あらゆるものをインターネットでつなぐIoTや人工知能(AI)などがもたらす経済成長、情報の自由な流通とセキュリティー確保などを議論。中国などがインターネットに関する情報を国内に限定するよう要求することに反対で一致する見通しとなった。共同宣言にも「インターネットのグローバルな本質を維持する政策を支持する」と明文化する方針。
また、人間がAIを制御することやAIが生命に危険を及ぼさないようにすることなどを総務省の有識者会議でまとめた「AIの研究開発に関する8原則」を高市総務相が各国に提示。米英などが賛同したことを受け、来年以降の情報通信相会合でも同原則を基に議論する。日独伊で今後、共通の課題として連携して議論することを採択する見通しだ。
情報通信相会合に先立つ日米代表者会談では、先進国と途上国との間のネット環境などの「デジタル格差」解消に向け、米国が提唱している2020年までにネット利用者を新たに15億人増やすという方針に、日米で協力することで一致した。具体的には、質の高い高速インターネットの整備が、経済発展や防災などに寄与することを国際会議の場などで訴えていく。ミャンマーなど東南アジアで低料金のインターネットインフラの整備を進める中国に対抗する狙いもある。
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