不適切さ謝罪も「燃費偽ってはいない」
スズキ不適切試験会見・詳報(1)スズキは18日、国が法令で定めたのと異なる手法で、車の燃費データを測定する走行試験を行っていたことを公表した。国土交通省に報告したあと、午後4時過ぎから会見した鈴木修会長、鈴木俊宏社長ら首脳は、国交省への報告内容を説明した。謝罪の一方で「燃費性能そのものは偽っていない」としているが、三菱自動車に続く不適切な対応であることは間違いなく、自動車産業への信頼がさらに低下しかねない。
《会見場に詰めかけた報道陣は約200人。正面の長机に本田治副社長、笠井公人常務・四輪技術本部長を含め4人が並ぶ。まず鈴木会長が立ったまま、国交省への報告内容を淡々と説明した》
鈴木修会長「会長の鈴木でございます。今日は大変お忙しい中、皆様においでを頂き、ありがとうございます。国交省から指示を受けて調査した結果を報告申し上げます。タイヤ等の転がり抵抗や、風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた走行抵抗値を使用しておりました。結果として、定めらた方法を用いていなかったことをお詫び申し上げます」
「お客様にご心配をおかけすることになるとして、申請時のデータと実測値の関係を改めて検討し、燃費の表示には間違いないと確認しました。このことも国交省に報告しました。いずれにしても、定められた方法を用いていなかったことを重ねてお詫び申し上げます」
《続いて俊宏社長が詳細を説明。A4用紙2枚の発表文を手に、硬い面持ちで慎重に読み上げる》
鈴木俊宏社長 「走行抵抗の申請時のデータの取り扱いについて、現在販売している16車種について確認したところ、申請時には惰行法を用いたものではなく、装置ごとの転がり抵抗の実測値や風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた結果のデータを使用していました。社内調査を行うまで把握できておらず、国交省の承諾を得ることなく、こうしたデータを使用していたことを改めてお詫び申し上げます」
「申請をした値は、装置ごとの実測値での室内試験データの積み上げであったため、試験走行と異なり、風の影響を受けることなく、標準待機状態のようにばらつきが少なく測定することが可能となっていた。(法令で定められている)『惰行法』の問題点として、限られた時間の中でデータをそろえることが困難だったことがあります。(静岡県牧之原市にスズキが保有する)相良テストコースは海に近く、丘の上にあることから風の影響を受けやすく、天候に左右されやすいこともあり試験が難しかった。細かな走行抵抗値の差異を発見できなかった。また、車体の軽量化などで風の影響を受けやすくなっており、測定結果のばらつきが大きくなる傾向にある。『惰行法』で低転がりタイヤを使用する場合、ばらつき無く測定するのが難しく、何度も試験を行う必要があった。すでに持っている惰行法の実測データに加え、新たに計測した『惰行法』によるデータとすべてと比較した結果、走行データと測定した燃費値に修正の必要性はないということだった。保安基準にも適合しており、問題はないと考えている」
《俊宏社長は説明の最後に、今後の対策を明らかにした》
俊宏社長「定められた方法で測定した申請値として使用していなかったことを重く受け止め、テストコースの暴風壁の整備、試験装置の台数追加、コースの路面整備など、走行環境を整え、惰行法による測定値の使用の徹底を図る。不明な点がある場合は国交省に事前に相談するよう徹底するように社内に通達した」
(続く)
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