「技術的な方法は間違っていなかったはず」と担当役員は話すが…
スズキ不適切試験会見・詳報(4)《質疑応答が続く》
本田治副社長 「16車種のうち『惰行法』での測定をしなかった車はございません。ただし、中には測定がうまくいっていなかったことも、他社さんと比べた場合にあった。残念ながら有効なデータとして使えるものがなかったと。これは社内の判断ですけど、そういうこともございました」
--16車種全てで『惰行法』の検査は行っている、行ってデータはとったけれど、あえて他の試験を行い、そのデータを『惰行法』でとったかのようにして国に出したということか
本田副社長「あの、今のルールに従えば、冒頭でお詫び申し上げたように、国が定めた法令にはしたがっておりません。このことは報告したとおりでございます」
--そもそも「惰行法」というのは、セットコースで実車を走らせること。そもそもそれ自体を行っていなということか
本田副社長「それはやっております。テストコースで、実車を実際に乗る場面で、実際の天候のもとでやったのかという質問だと思いますが、それはやっております」
「まず『走行抵抗』というのは、『空気抵抗』と『転がり抵抗』の和になりますので、空気抵抗というのは、車の風を受けてその抵抗になりますので、我々は風洞試験室に車を入れてですね。これを使い、各車速ごとの抵抗を測ります。それが空気抵抗値になります。時速10キロから20キロまでの風による抵抗値が出てくると」
「それから『転がり抵抗』ですけれども、転がりに関係するユニットとしては、まず地面と接しているタイヤ、それからブレーキの『ひきずり抵抗』。それからベアリング、タイヤをつけるところにベアリングがありますのでそこの抵抗、それからトランスミッション自体が回っておりますのでその抵抗もある。これらの要因を全部測定して、時速20キロから90キロまで、10キロ刻みで抵抗を測り、『転がり抵抗』の総和をはじきます」
「風洞実験で求めた『空気抵抗値』と『転がり抵抗値』を足して、それをプロットした中で二次回帰曲線を引いて…これを申請するということになっております」
《現場が不正行為に手を染めた背景について、四輪技術本部長を務める笠井公人・常務役員が口を開く》
笠井常務「『2010年』という点が色々印象づけているかもしれませんが、世界中で燃費基準の要求が2005年、10年、15年と高まって参りました。それまでは、たとえ実測の結果、測定データがばらついていたとしても、それを使っていればやっていける時期だったと思います。しかし10年、15年とCO2基準が厳しくなっていくと、日本でも燃費基準が高まる。それのみならずインセンティブ(動機)も高まると。私どもは2つの方法をとってまいりました。それがこの10年というところに集約している」
「スズキは走行抵抗に無頓着だったが、各メーカーさんの研究発表とかを拝見しますと『エンジン性能の向上だけを頑張るのでなく、走行抵抗の改善もやらないと』、と。弊社もこれに対応して、走行抵抗を精密に計測して開発に生かそうとやってまいりました」
「2点目に、技術開発もしなければなりません。軽自動車でいいますと、エンジンも刷新しました。CVT(無段変速機)も新しいタイプにしました。そのほか軽量化だとか、他社さんに先駆けて電気装置を入れて燃費を上げるような技術開発も同時に進めました」
「私は信じておりますが、燃費を見かけ上よくするために、走行抵抗値を操作しようという意図は、私が見てきた中ではございません。なぜなら、環境を整えて、燃費を正味で出すということに取り組んでくれました。それはいろんな技術を使いながら、走行抵抗にも目を向けながらやってきたということで、その大きな境目が、社会的な要請の中で2010年ごろにあったと。私どものとった行動は、技術的な方法に関しては間違っていなかったと考えています」
(続く)
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