市場の幻滅を意識、原油価格40ドル割れ回避で協調演出
OPEC減産合意石油輸出国機構(OPEC)は28日、アルジェリアの首都アルジェで開いた非公式会合で原油減産に合意した。減産合意は2008年12月以来約8年ぶり。加盟14カ国の生産は8月に過去最高水準の3323万バレルを記録したが、最大で日量3300万バレルに制限する。
生産調整は困難との見方が強まる中で合意した背景には、物別れに終われば市場の幻滅が強まり、原油価格の低迷に拍車がかかるとの懸念があった。
OPECのサダ議長(カタール・エネルギー相)は会合後の記者会見で「歴史的な会合だ」と強調、非加盟のロシアとも生産抑制を協議する方針を示した。減産の詳細は11月30日の定時総会で詰める予定だ。
対立するサウジアラビアとイランが土壇場で譲歩した。イランは1月に解除された経済制裁前の市場シェアの回復を目指し、現在360万バレル程度の生産高を日量400万バレルに引き上げる方針を主張。イランには増産が認められる方向で、増産幅が今後の焦点になる。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之・主席エコノミストは、今回の会合で有効な手を打てなければ「OPECには期待できないという失望感が広がるところだった」と語る。
各国が4月に増産凍結を協議した際にはイランの参加拒否にサウジが反発して増産凍結に合意できず、6月の総会でも見送った。原油市場は夏のドライブシーズンが終わって不需要期にあり、今回不調に終われば40ドル割れは避けられない。
原油安の長期化で加盟各国の財政状況は窮迫しており、OPECは「意思統一の努力をアピールする必要があった」(野神氏)。
合意を受け原油価格は50ドル程度まで上昇する可能性があるが、その後は油価低迷で休眠した米国のシェールオイル採掘施設が再稼働し、生産量が増加する見込み。中国経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱問題で世界経済は不透明感が強く、需給の緩みが早期に解消される可能性は低い。
SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「多少の減産合意では抜本的改善にならないだろう」と分析する。
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