大戸屋、取締役2人が辞任 就任わずか3カ月、内紛影響か
創業家側と会社側の対立が続く大戸屋ホールディングスは28日、主力銀行出身の河合直忠氏(72)ら取締役2人が辞任したと発表した。「一身上の都合」と説明しているが、ともに6月の就任から約3カ月しかたっておらず、内紛の影響とみられる。
窪田健一社長(46)の側近だった河合氏が中枢を離れることで、経営の混乱に拍車がかかる可能性もある。
もう1人は、社外取締役で東洋冷蔵(東京)の社長を務める川上泰弘氏(52)。28日に開かれた取締役会でそれぞれ辞任を申し出た。
対立は、定食店「大戸屋ごはん処」を展開する同社を創業した三森久実会長が昨年7月に急逝したのがきっかけ。株式を相続した長男、智仁氏(27)ら遺族が、窪田氏が推進する経営体制に反対し表面化した。
会長や相談役兼最高顧問を歴任した河合氏は窪田氏の信頼が厚く、智仁氏との関係正常化に向けた仲裁役を務めた。一時は和解の合意にこぎ着けたが、久実氏が注力した事業を「負の遺産」として整理するよう迫ったことが、結果的に智仁氏の不信感につながった。創業家側と会社側の対立について調べた第三者委員会は今月26日付でまとめた報告書で、河合氏に関し「最終的には一つのマイナス要素となっていた可能性があると思われる」と指摘していた。
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