大手銀、マイナス金利で9.8%減益 トランプ政権に期待の声

 

 大手銀行5グループの平成28年9月中間連結決算が14日、出そろった。最終利益は合計で、前年同期比9.8%減の1兆3925億円だった。日銀のマイナス金利政策を背景にした利ざやの縮小が響いた。米大統領選を共和党のドナルド・トランプ氏が制したことで、金融市場は米国債金利が上昇し、ドル高円安が進んでいるほか、金融規制の緩和観測も浮上しており、北米事業の戦略練り直しも迫られている。

 グループ別では、三菱UFJフィナンシャル・グループが18.2%減の4905億円、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が7.5%減の3591億円、みずほフィナンシャルグループが6.7%減の3581億円。利ざやの縮小に加え、円高とドル調達コストの上昇も追い打ちをかけた。

 りそなホールディングスは倒産に備えて積み立てた引当金の戻し入れ益、三井住友トラスト・ホールディングスは株式売却により、それぞれ増益を確保した。

 預金を集めて、運用や貸し出しに回す伝統的な銀行ビジネスを続けているだけでは体力は失われるばかりだ。三井住友トラストは住宅ローンの借り換え需要を取り込んでいるが、「下期は借り換え需要が一巡してくる」(北村邦太郎社長)と身構える。

 りそなの東和浩社長は「マイナス金利環境下で、将来に備えて運用を考える時代になる」と述べ、預金取引のみの顧客に対する個人型年金や投信販売の提案を積極的に進める考えだ。

 下期は米国の経済政策の動向にも目配りをする必要がある。銀行業界が気にしているのは、トランプ政権による金融規制の緩和観測だ。「規制が緩やかになれば追い風になる」(三井住友FGの宮田孝一社長)と期待する声が上がる一方、「推測は難しい」(三菱UFJの平野信行社長)などと慎重な意見もある。

 インフラ投資の拡大路線にも景気押し上げ効果の期待が集まる。みずほの佐藤康博社長は「資金需要が入ってくると、大きなプラスに働く可能性がある」と述べ、米国での社債発行業務の拡大に期待を寄せた。